本文へジャンプします。

TOP
クラウド トップ>クラウドナビ>基礎知識>さらに進んだ政府のクラウド利用基本方針「クラウド・バイ・デフォルト原則」

基礎知識

さらに進んだ政府のクラウド利用基本方針「クラウド・バイ・デフォルト原則」

2019年2月7日


クラウド・バイ・デフォルト原則

近年は「クラウドファースト」と呼ばれる、システム構築を行う際にクラウドの利用を優先する考え方が広まっていましたが、2018年6月に政府が発表した「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」では、さらに一歩踏み込んだ「クラウド・バイ・デフォルト原則」という表現が使われています。

つまり、政府情報システムの構築・整備に関しては、クラウドサービスの利用を「第1候補(デフォルト)」として考えるという方針が打ち出されたということです。

クラウド・バイ・デフォルト原則が打ち出された背景

政府は生産性革命を実現し、人工知能、ロボット、IoTなど、生産性を劇的に押し上げるイノベーションを実現する社会「Society5.0」の実現を提唱しています。少子高齢化に対応し、持続的な経済成長を成し遂げるための経済政策の大きな2つの車輪があり、1つは一億総活躍社会を作り上げる「人づくり革命」、もう1つが「生産性革命」と位置付けられています。

「Society5.0」の社会実装を実現し破壊的イノベーションを起こすことが、政府の考える「生産性革命」のイメージですが、一方で行政サービスのデジタル化、いわゆるデジタルガバメントの推進が著しく立ち遅れており、行政分野における取り組みの立ち遅れは民間ビジネスの生産性に多大な影響を与える、という危機感を持っています。

民間ビジネスの生産性向上や新ビジネス創出に必要な環境を整備していくためにも、行政分野におけるデジタル化の取り組みは、待ったなしの課題といえるでしょう。

行政のデジタル化の実現には、クラウドが欠かせません。クラウドを適切に活用することで、情報システムの迅速な整備や柔軟なリソースの増減のほか、自動化された運用による高度な信頼性、災害対策、テレワーク環境の実現などを、コストを削減しながら進めることが可能です。

これまで、民間企業と同様に政府情報システムにおいてもクラウドが多くの課題解決に役立つと期待されながらも、情報セキュリティや移行リスクへの漠然とした不安や不十分な事実認識などが原因でクラウド利用に前向きではなかったというのが実情でした。

そうした状況を打破するために提唱されたのが、クラウド・バイ・デフォルト原則です。

クラウド・バイ・デフォルト原則でシステム構築はどう変わるのか

クラウド・バイ・デフォルト原則により、今後は情報システムを導入する際にはパブリッククラウドを第1候補として考えるという方針が定められたことになります。

「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」では、「政府情報システムのシステム方式について、コスト削減や柔軟なリソースの増減等の観点から、クラウドサービスの採用をデフォルト(第一候補)とし、府省CIO補佐官の関与の下、事実に基づく客観的な比較を行いその利用を判断するための考え方等」が示されています。

その中では、SaaS(パブリッククラウド)、SaaS(プライベートクラウド)、IaaS/SaaS(パブリッククラウド)、IaaS/SaaS(プライベートクラウド)について、クラウドサービスの利用検討プロセスや利用方針が示されています。

パブリッククラウドが利用されるものとしては、以下が想定されます。

  1. ハードウェアのスペックや数量などリソースの正確な見積もり(サイジング)が困難、または変動が見込まれる情報システム
  2. 24時間365日のサービス提供や災害対策が欠かせない情報システム
  3. インターネット経由で直接サービス(APIを含む)を提供する情報システム
  4. パブリッククラウドが提供する技術・機能・サービス(運用管理、マイクロサービス、分析機能、AIなど)の採用が基本となる情報システム

これらのシステムの導入(入札)を検討しているSIerは、バックアップ環境や災害対策環境が整備されていること、セキュリティ認証の取得などが必須とされています。

政府系システムのクラウド・バイ・デフォルト原則が民間企業のクラウド移行を加速

民間企業においても「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」で示されている考え方は、クラウド選定における一定のガイドラインとして有効です。

資料内で指摘されているクラウドの5つメリットこそがクラウド・バイ・デフォルトへと舵を切る動機とも言えます。簡単にまとめておきましょう。

効率性の向上 リソースの共有によるコスト低減と導入期間の短縮は、クラウドサービスのもっともよく知られたメリットの1つです。
セキュリティ水準の向上 クラウド事業者同士による激しい競争環境では、新しい技術を積極的に採用する必要があり、また規模の経済から情報セキュリティレベルの効率的な向上が期待できます。
技術革新対応力の向上 クラウド事業者は、AIやビッグデータ、IoTなどの新しい機能を随時提供しています。クラウドの採用により、最新技術の検討や活用が容易に行えます。
柔軟性の向上 リソースの追加や変更などが容易な点もクラウドのメリットの1つと言えます。短期間だけ運用するシステムや、利用する機能の組み合わせを変更することで、業務の変更にも柔軟に対応できます。
可用性の向上 ミッションクリティカルなシステムで24時間365日の可動が求められるシステムを実現するために、従来では大きなコストが必要でした。しかし、クラウドであれば過剰な投資を抑えながらの実現が可能。また、大規模災害への対応も可能です。

政府系システムはもちろん、すでにクラウドファーストが浸透しつつある民間企業のシステム構築についても、クラウド・バイ・デフォルト原則によって、クラウドという選択肢がより高い優先度を持つことになるのは間違いないでしょう。

クラウド・バイ・デフォルト原則については、以下のeBookでさらに詳しく解説しています。無料でダウンロードいただけますので、ぜひご覧ください。

クラウド移行のポイントを徹底解説無料ebookをダウンロード
  • このエントリーをはてなブックマークに追加