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基礎知識

想定外の料金の発生を防ぐ!クラウドの見積もりで注意するポイント

2021年5月25日


想定外の料金の発生を防ぐ!クラウドの見積もりで注意するポイント

世の中には数多くのクラウドベンダーが存在します。そのため、クラウドを導入するにあたっては、複数のベンダーを比較し、どのベンダーを採用するのかを決定しなくてはなりません。その際、提供されている機能やサーバーのスペックなどと並んで、重要な比較検討材料となるのが、クラウドの利用料金です。料金を比較する際には、利用する機能から料金の見積もりを作成し、その結果が予算内に収まるか、ほかのベンダーと比較して安価かといった検討を行うのが一般的です。

本記事では、こうしたクラウドの見積もりをもとに各ベンダーを比較検討する際に注意するポイントを解説します。

クラウドの利用料金を見積もるには

クラウドの利用料金を見積もるためには、まず対象となるシステムが要求する機能や性能を明確にする必要があります。そこから必要なサーバーのスペック・台数・ストレージの容量・利用するクラウドの機能などを洗い出し、発生する費用を計算します。

ここで注意すべき点は、クラウド特有の事情によって、システムの構成そのものが変化する可能性がある点です。例えば、オンプレミスのシステムをクラウドに移行する場合を考えてみましょう。こうしたクラウド移行では、オンプレミスで利用している物理機器を1つずつ、クラウドの機能に置き換えていくのが基本です。しかし、選択したクラウドベンダーによっては、単純に物理機器を置き換えただけでは、SLA(Service Level Agreement)が適用されない可能性があります。SLAについては後述で詳しく解説しますが、具体的な例を挙げると複数のゾーンを跨いだクラスター構成を組まないとSLAが適用されないなどです(=複数台のサーバーを稼動させる必要がある)。単に利用中の機器を1対1でクラウドに置き換えるのではなく、SLAの適用条件をきちんと確認した上で、システムが要求する水準を満たすような構成を考えなければなりません。

なお、こうしたクラウド特有の構成を考える際には、クラウドベンダーが公開しているデザインパターンが参考になります。ニフクラでも、「クラウドデザインパターン」を公開していますので、システム構築の際はぜひ参照してください。

見積もりで注意するポイント

見積もりの結果を参考にして、クラウドの導入を検討していくわけですが、見積書に記載された料金だけを単純に比較して、一番安価なベンダーを選択すればよいというわけではありません。ここではクラウドベンダーの選択において、見積もりの料金以外にも注意すべきポイントを解説します。

SLA

SLAとは、「Service Level Agreement」の略でユーザーと事業者の間で「どのようなサービスを提供するか、その品質について明文化し、合意したもの」を指す用語です。日本語では「サービス品質保証制度」や「サービス品質保証」とも呼ばれています。

よくある具体的なSLAの例としては、サーバーの稼動時間が挙げられます。仮にサーバーの月間稼働率99.99%をSLAとして保証しているベンダーであれば、1カ月(744時間)のうちの99.99%(744 × 0.9999 = 約743.9時間)のサーバーの稼動を保証している(言いかえると月間のダウンタイムは0.1時間未満)ことになります。

どれだけ安価であっても、システムが要求する品質を担保できないクラウドサービスを採用するわけにはいきません。料金だけでなく、SLAを確認の上、そのクラウドが十分な品質を担保しているかを確認することが重要です。

なお、この際にSLAの適用条件や保証される稼働率は、クラウドベンダーによって異なることに注意して確認しなければなりません。前述の例と重複しますが、複数のゾーンを跨いだクラスター構成を構築しないとSLAの稼働率が保証されないクラウドベンダーであれば、システムが本来必要とする台数よりも、実際に必要なサーバーの台数が増えてしまうこともありえます。そして、当然ですが利用料金もその分だけ増えてしまいます。

SLAについて、より詳細な解説は「クラウド選択時の重要な指標。サービス品質保証(SLA)とは?」をご確認ください。

従量課金

トラフィックによって、料金が変動する従量課金の機能などについては、注意が必要です。例としては、ロードバランサーの通信料・ゾーン間の通信料・APIリクエストにかかる料金・外部との通信で発生するトラフィック利用料金などが挙げられます。サーバーは、スペックごとに時間あたりの価格が明確になっているため「このスペックのサーバーをx台、1カ月稼動させたらいくらか」という見積もりを高い精度で算出できます。しかし、主に通信にかかる料金は、サービスの稼動状況によって大きく変動する可能性があります。

そのため、該当のシステムがどの程度のAPIリクエストやトラフィックを発生させるのか、事前に想定の上、試算しておくことが重要です。単純な月額料金だけを鵜呑みにせず、高い負荷がかかった場合には、想定外の課金が発生する可能性もあることにも注意してください。

サポート費用

クラウドを利用していると、障害や想定外のトラブル、利用上のさまざまな疑問に直面することもあります。こうした場合に備え、クラウドベンダーはメールや問い合わせフォームによるサポート窓口を設けています。多くの場合、こうしたサポートは無料で利用可能ですが、回答までには数時間から数日という単位で時間を要するのが一般的です。そのため、緊急の障害などには対応できない場合も多々あります。

そこで、クラウドベンダーによっては、より短時間で優先的なサポートが得られる有料のエンタープライズサポートを提供している場合もあります。サポートを必要としている場合は、クラウドの利用料金とは別に発生するサポート費用についても考慮しておきましょう。

わかりやすい料金体系で予算が立てやすい「ニフクラ」

ニフクラは、単一ゾーンにサーバーを1台作成するだけでSLA 99.99%を達成できるため、SLAの適用を目的に複数ゾーンでのクラスター構成を取る必要がありません。そのため、全体としてシンプルな構成を取りやすく、料金の見積もりもわかりやすくなっています。これはもちろん、ニフクラではシンプルなシステムしか構築できないという意味ではありません。要件に応じて、可用性向上を目的とした複数リージョン・ゾーンの構成も簡単に構築できるようになっています。

また、ニフクラでは月あたり10TBまでは無料でインターネットとの通信(グローバル側通信)を利用できます。そのため、大規模なデータ転送が発生しないシステムであれば、見積もりの難しいネットワーク転送の従量課金部分をほぼ無視することができます。

サポート面では、メールや電話で問い合わせを行える24時間365日対応のサポート窓口を無料で利用できます。また、さらに手厚いサポートが必要なユースケースに備え、有償の「エンタープライズサポート」も用意しています。ニフクラのさらなる詳細については、「ニフクラが選ばれる理由」をご確認ください。

まとめ

サーバーのスペックやSLAなどに比べ、料金というのは非常にわかりやすい指標です。それゆえ見積もりを取得すると、つい目に見える料金だけを見てベンダーを比較してしまいがちです。しかし、単純に安いベンダーを採用するのではなく、本記事で解説したSLAや使い方次第で変化する従量課金部分、サポート費用などを考慮してトータルで評価することが重要だと言えるでしょう。

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