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基礎知識

モバイルアプリの開発基盤に最適な「mBaaS」とは

2022年11月22日


モバイルアプリの開発基盤に最適な「mBaaS」とは

多くの人がスマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスを携帯するのが、当たり前の時代となりました。PCは使わなくてもスマホは持っているという層も多いことから、モバイルデバイス向けのアプリ(モバイルアプリ)の需要は、以前にも増して高まってきています。エンドユーザーに向けたモバイルアプリの提供は、店舗の集客強化やアプリ内課金による収益化といった、新たなビジネスチャンスに繋がる可能性もあるため、モバイルアプリの自社開発を検討している企業も多いのではないでしょうか。

しかし、モバイルアプリをリリースするまでには、要件定義、設計、環境構築、実装、テストといった、数多くの開発ステップをこなさなければなりません。これらの開発ステップをこなすには高度なスキルが必要とされる上、開発時間や開発費用も膨大にかかります。そのため、開発ノウハウを持たない企業にとっては、参入障壁は非常に高いものとなっています。

そこでおすすめしたいのが、モバイルアプリでよく利用される基本的な機能を提供する「mBaaS」の利用です。本記事では、モバイルアプリの開発基盤として最適なmBaaSについて、その概要とメリットなどをご紹介します。

mBaaSとは

一般的にモバイルアプリは、「フロントエンド(クライアントサイドとも言う)」と「バックエンド(サーバーサイドとも言う)」に分かれた設計となっています。

フロントエンドは、ユーザーが直接目にして操作する部分を指す名称です。具体的にはWeb画面を表示する部分や、文字を入力できるエリア、タップできるボタンなどの部品で構成されています。

これに対してバックエンドは、ユーザーの目に直接触れず、背後でアプリの機能を提供する部分を指す名称です。バックエンドはモバイルデバイスの内部ではなく、ネットワークの先にあるサーバー上で動いています。バックエンドにはアプリの機能を提供するプログラムのほか、このプログラムを動作させるサーバー本体や、データベースなどが含まれます。

モバイルアプリを運営するためには、フロントエンドとバックエンド両方の開発と運用管理が求められます。前述の通り、こなさなければならない開発ステップは多く、技術的難易度も高いため、誰にでもできる作業ではありません。特にフロントエンドとバックエンドは、それぞれ求められる技術スタックが異なるため、それぞれの分野に精通した技術者を確保する必要があります。しかし、バックエンド側の作業に関して言えば、「mBaaS」というクラウドサービスを利用することでその作業を大幅に省力化し、開発難易度も下げることが可能です。

一般的にどのようなモバイルアプリであっても、その構造とそれに求められる機能というのはある程度似通っています。そこで、「モバイルアプリのバックエンドでよく利用される基本的な機能」を提供するサービスが生まれました。これが「mobile Backend as a Service」、略して「mBaaS」です。

mBaaSとしては、Googleが提供する「Firebase」などが有名です。また、ニフクラ/FJcloud-Vでは、「mobile backend」というmBaaSを提供しています。

mBaaSのメリット

mBaaSを利用するメリットとしては、主に以下の2つが挙げられます。

サーバーの調達・運用が不要

モバイルアプリの基盤となるバックエンドを動かすには、インターネットに接続されたサーバーが必要です。つまり、サーバーやネットワークを確保することが大前提となるわけですが、これを自前で行おうとすると多くのコストがかかります。しかし、mBaaSはクラウドサービスですから、自前でサーバーやネットワークを確保する必要がありません。結果として、サーバーの調達や構築にかかっていた工数や費用を大幅に削減できるのです。

また、OSのバージョンアップをはじめとするサーバーのメンテナンスや障害対応などの運用についても、すべてクラウドベンダーに任せることができます。運用担当者の負担が軽くなるため、これまでサービス基盤の構築や運用に奪われてしまっていた人的リソースを、サービスの改善などの別タスクに割り当てることが可能になります。これにより、アプリの品質向上や、それに伴う売上のアップなどが期待できます。

なお、これはmBaaSだけに限らず、クラウドサービス全般に共通するメリットです。

バックエンド機能の開発が不要

プッシュ通知やユーザーの登録・認証などに代表されるように、モバイルアプリを運営する上で重要となるバックエンド機能には、複雑な処理が発生するものが多く存在します。特にユーザー認証などは、正しく実装しないと不正アクセスや情報流出が起きてしまう可能性も否定できません。そのため、開発には高度なスキルが求められ、特にノウハウを持たない技術者にとってはうかつに手を出しにくい部分でもあります。

しかし、こうした機能はその実装にかかるコストに反して、どんなアプリにも使われる「ないと困る機能」「ありがちな定番機能」でもあります。こうした定番の機能を、バグを発生させてしまうリスクを抱えながらその都度新規に開発する「車輪の再発明」は効率が悪すぎます。そこでmBaaSには、こうした定番の機能があらかじめ用意されています。

mBaaSの機能は、プログラム内でAPIやSDKを呼び出すだけで利用することができるようになっています。バックエンドを構成する多くの機能が「パーツ」として提供されているため、新規に実装せずとも、必要な機能だけをピックアップして、アプリに組み込むことができるのです。これにより開発工数や費用の削減が可能になり、大幅な効率化を達成することができます。

mBaaSで提供される機能

提供するクラウドベンダーによって詳細は異なるものの、mBaaSでは主に以下のような機能が利用できるようになっています。

会員登録・認証機能

ログインやログアウト、権限管理、メールアドレス認証など、モバイルアプリのユーザーを管理する機能です。各ユーザーのデータに対してアクセス制限をかけるなどのセキュリティ対策を行ったり、グループを作成したりすることも可能です。

プッシュ通知機能

ユーザーの端末(iOS/Android等)に対して、プッシュ通知を配信する機能です。プッシュ通知はモバイルアプリにとってなくてはならない、必須とも言える機能ですが、mBaaSであればSDKを利用することで簡単にプッシュ通知を実装可能となっています。実装後は管理画面からテキストを入力するだけで、予約配信・セグメント配信・Webページ配信(リッチプッシュ)などを行えます。

データベース機能

モバイルアプリ内で利用されるデータを保存・共有する機能です。例えばスマホゲームによくあるスコアのランキング機能などは、データストアにユーザーごとのスコアを保存し、アプリ側からデータを検索、ソートすることで実現できます。

外部サービス連携機能

Facebook、Twitter、Google、Appleなどのアカウントを利用し、アプリへのログイン認証を行う機能です。またOAuth認証情報を利用すれば、アプリ内から各SNSのデータへアクセスすることも可能で、アプリ内からTwitterやFacebookへ投稿を行うことができます。

位置情報検索機能

スマートフォンのGPS機能などを利用した位置情報を保存・管理する機能です。2点間の検索や、点と半径の指定による検索など、複雑な演算処理も簡単に行えます。

mBaaSを導入するなら安心・安全の「mobile backend」

「mobile backend」は、ニフクラ/FJcloud-Vが提供する国産のmBaaSです。その特長としては、管理画面のUIがわかりやすいことに加え、開発者向けドキュメント・サポートが全て日本語であることが挙げられます。mobile backendはモバイルアプリの開発に慣れていない方でも、安心して利用できるような作りになっています。

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