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基礎知識

中小企業におけるDXとクラウド活用のすすめ

2022年9月28日


中小企業におけるDXとクラウド活用のすすめ

近年、多くの企業・組織で「DX推進」が経営における重要なテーマとなってきています。その理由は、現在のビジネス環境の激しい変化に適応し、市場での競争力を高めるためには、足枷となっているレガシーシステムからの脱却が必要とされているためです。

一口にDX推進と言っても、その実現には様々な技術を活用することが必要不可欠です。そしてその中でも、特に効果的と言われているのがクラウドの活用です。

しかし、大企業などを中心にクラウドを活用したDXが進む一方で、中小企業などでは二の足を踏んでいる企業も多いのではないでしょうか。そこで今回は、中小企業のDX推進においてクラウドを活用することにどのようなメリットがあるのか、解説します。

中小企業におけるDX推進とクラウド活用の現状

もしもDXを推進できない状態がこのまま続くと、2025年には年間最大12兆円の経済損失が生じるとも言われています。経済産業省はこれを「2025年の崖問題」と名づけ、以前より警鐘を鳴らし続けてきました。

レガシーシステムから脱却するためには、解決しなければならない問題が山積しています。すべての問題を一度に解決することは不可能でも、2025年の崖を乗り越えるためには、DXを段階的にでも進めて行かなくてはなりません。そのための現実的な選択肢が、「リフト&シフト」によるオンプレミスからクラウドへの移行です。

中小企業がクラウド活用で得られるメリット

クラウドサービスの形態と特徴

まずはじめに、クラウドとは何か、そしてクラウドサービスは形態ごとにどのような違いがあるのか、改めて解説します。

クラウドとは、ユーザーがインターネットなどのネットワーク越しに、サーバー・ストレージなどのITリソースや、アプリケーションソフトウェアなどを利用できるサービス形態全般を指す名称です。そしてクラウドサービスは、ユーザーが利用するサービスの構成要素(クラウド事業者が提供する範囲)によって、大きく次の3つに分類されます。

Infrastructure as a Service(IaaS)

サーバーやストレージ、ネットワークといった、ITシステム構築の基盤となるインフラそのものを提供するタイプのクラウドサービスを「Infrastructure as a Service(IaaS)」と呼びます。サーバーのハードウェアやネットワーク機器など、物理的な基盤そのものはクラウドベンダーの管理下にあるものの、ユーザーはその上で、OSを含む任意のソフトウェアを自由に動かすことができるのが特徴です。IaaSでは、従来のオンプレミスに近いITシステムを、クラウド上で構築することが可能です。

Platform as a Service(PaaS)

アプリケーションの開発/実行環境をネットワーク越しに提供するタイプのクラウドサービスを「Platform as a Service(PaaS)」と呼びます。IaaSとは異なり、ユーザーはサーバー、ネットワーク、OSといったインフラを管理することはできません。言い換えると、面倒なインフラの管理といった領域はベンダーに一任できるのがPaaSの特徴です。ユーザーはベンダーが用意したプラットフォーム上で、自分が実装したアプリケーションを動かすことのみに注力できます。

Software as a Service(SaaS)

Microsoft Office 365などのオフィスソフトやグループウェアなど、ネットワーク越しにアプリケーションの機能を提供するタイプのクラウドサービスを「Software as a Service(SaaS)」と呼びます。SaaSではインフラからアプリケーションまで、提供されているすべての機能はベンダーの管理となり、ユーザーはアプリケーションの機能を利用する以外のことはできません。一見不自由なように思えるかもしれませんが、アプリの機能さえ使えればよく、カスタマイズも不要というような場合は、管理運用をすべてベンダーに任せられる点が大きなアドバンテージとなります。クラウドの3種類の形態の中でも、もっとも手軽に利用できるのがSaaSだと言えるでしょう。

さらに詳しくクラウドについて知りたい方は、「IaaS、PaaS、SaaSの違いを整理して、クラウドサービスの特徴を知ろう」を参照してください。ここからはIaaSでの視点を中心に、クラウドを活用するメリットについて、オンプレミスと比較しながら解説します。

クラウドを活用するメリット

運用コストの削減

オンプレミスでは、サーバーのハードウェアをはじめとするリソースは、すべて自社で用意しなければなりません。そのため調達や維持のための費用がかかります。また、ハードウェアは調達したらそれで終わりではなく、メンテナンスし続ける必要があります。特にハードウェアにはサポート期限が存在するため、数年おきにリプレイスが発生するなど、運用面での負担は決して無視できない問題です。「ひとり情シス実態調査」によると、日本国内の中小・中堅企業の約33%で情報システム部門の担当者が1人であることが報告されており、慢性的な人手不足が浮き彫りになっています。こうした情報システム部門の担当者が少ない企業では、オンプレミス環境の維持運用は特に大きな負担となるでしょう。

クラウドを利用すれば、こうしたハードウェアライフサイクルにまつわる一切のコストを、サービス利用料として支払う形でクラウドベンダーに委託することができます。ハードウェアの調達にかかっていた費用や、保守に掛かっていた工数を大きく削減し、貴重なIT人材のリソースをDX推進などのより価値の高い取り組みに割くことができるようになります。

セキュリティの向上

オンプレミスでは、ファイアウォール侵入検知システムなどのセキュリティ機器もまた、ユーザー自身で調達・運用する必要があります。もちろん、OSやミドルウェアのバージョンアップやセキュリティパッチの適用もユーザー自身で行わなければならず、これもまた運用担当者にとって大きな負担となります。こうしたメンテナンスは、情報システム部門の人数が手薄な場合は、手が回らず特に放置されがちな部分です。

ニフクラをはじめ多くのクラウドベンダーでは、ファイアウォールのようなセキュリティ機能をはじめ、データベースやオブジェクトストレージなどを「マネージドサービス」として提供しています。マネージドサービスはミドルウェア等の運用管理をベンダーが行ってくれるため、ユーザー自身がセキュリティアップデートなどを意識して行う必要はありません。こうしたクラウドベンダー提供の機能を利用することで、手間をかけずにセキュリティレベルを向上させることができます。

サイジングの最適化

オンプレミスではサーバー台数の追加やスペックの増強など、リソースを増やしたい場合はその分のハードウェアへの追加投資が必要となります。そのため、気軽にリソースを増減させることができません。例えば、瞬間的なアクセス増などに対応しようとすると事前に十分な余裕を持ったハードウェアを用意しておく必要がありますが、これは結果的に過剰な投資に終わってしまう可能性もあります。

クラウドであれば、リソースの追加や削除、変更をオンデマンドで行うことができます。ハードウェアの調達にかかるリードタイムなども存在しないため、アクセスが急増した際にその場でサーバーの台数を増やすことで障害を回避したり、負荷のピークが過ぎた後にサーバーを減らすことで過剰投資を防いだりといった「サイジングの最適化」が可能です。また、料金は利用した分のみ支払う従量課金制のため、コストの最適化がしやすく短期間の利用や検証目的での試用にも向いています。

中小企業におけるクラウド活用のポイント

まずはスモールスタートでクラウドを評価・体験

クラウドならではの柔軟性を活かし、まずは低スペックなものからスタートして、将来的な本格導入に向けてクラウドに親しむことから始めるのがお勧めです。従量課金制のため、クラウドは最小限のコストで体験することが可能です。単に低スペックな環境でスタートするのであれば、コスト面で言えばレンタルサーバーVPSなども選択肢となるでしょう。しかし、カスタマイズ性や柔軟性という観点から考えると、自由度が高く、後々のスペック変更も容易なクラウドの方が断然有利です。

クラウドを評価するポイントはいくつかありますが、まずは従来のオンプレミスと比較して、クラウドの性能や機能が自社の要件を満たすのかを確認しましょう。また、クラウド事業者が提供する管理画面で構築作業を行い、実際の運用に問題がないかを確認しておきましょう。

かかるコストは、目に見える利用料金だけでなく、運用・保守で発生する人的コストも考慮することが重要です。クラウドは使い続けている限り、常に時間単位で料金がかかり続けるため、心理的な抵抗感を持つ人も少なくありません。しかしクラウド化によって、オンプレミスの運用・保守にかかる人的コストが軽減されるのであれば、十分採算が取れるという考え方もあります。

サポートの充実性やドキュメントの豊富さは要チェック

クラウドの導入が初めての方やスキルに自信がない方の場合、クラウドベンダーのサポートやドキュメントが充実しているかどうかは、選定における重要なポイントです。特に外資クラウドでは24時間365日のサポートが有料であったり、ドキュメントも日本語対応が不十分であるケースが多いため注意しましょう。

「ニフクラ」ならクラウド初心者でも安心!

ニフクラは、VMware vSphere®を基盤とした国産のパブリッククラウドサービスです。初めてでも理解しやすいUIのコントロールパネルや、豊富な日本語ドキュメント、24/365受付可能な無償サポートなど、クラウドの導入スキルに自信がない企業でも安心してご利用いただけます。

ニフクラではVMware vSphere®の機能を活かし、オンプレミスから簡単に環境を移行できる機能も提供しています。例えば「VMインポート」では、お客様のオンプレミス環境にあるVMware vSphere®の仮想サーバーイメージをインポートするだけで、全く同じサーバーをニフクラ上で動かすことができます。動作中のイメージをそのままインポートするため、OSやシステムに変更が発生せず、既存システムを安心・安全かつ速やかに移行することが可能です。

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