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基礎知識

ビジネスでこそ活用したい「クラウドストレージ」

2018年3月5日


ビジネスでこそ活用したい「クラウドストレージ」

個人的にクラウドストレージを利用して写真やファイルを管理している人は少なくないでしょう。

しかし、企業や組織として個人向けのクラウドストレージを利用することにはそれぞれのセキュリティポリシーに抵触するケースもあり、ためらいを覚えるという方もいるようです。

一方で法人向けのクラウドストレージサービスも、単独のサービスやクラウドサービスの一部として提供されていますので、ここでは法人向けクラウドストレージとそのメリットに焦点を当て探っていきます。

「法人向け」のクラウドストレージとは?

インターネットを経由してクラウドで提供されるストレージサービスは、個人向け・法人向け合わせて数多くのサービスが展開されていて、すでに利用している人も多いでしょう。

では、個人向けのクラウドストレージと、法人向けのクラウドストレージには、どのような違いがあるのか確認してみましょう。

法人向けと個人向けのクラウドストレージサービスの主な違い

  • アップロードできる容量・転送速度
  • セキュリティ機能
  • 管理機能
  • サーバーの設置場所

なかでも特に注目しておくべきポイントについて解説していきます。

「セキュリティ」

クラウドストレージは、個人向け・法人向けを問わず、安心して利用できるだけのセキュリティ環境は構築されていますが、法人向けの場合、利便性だけでなくバックアップや災害時のリスク管理、経営リスクのひとつである情報漏えい対策などのため、より強固なセキュリティが必要となります。

法人向けのクラウドストレージサービスでは、これらをカバーするセキュリティサービスを提供しているため、より安全な環境でストレージを利用することができます。

「スケーラビリティ」

もう1つの違いは、スケーラビリティです。

個人向けサービス、特に無料サービスの多くはストレージ容量が比較的小さく設定されています。これに対して有料の法人向けサービスでは、アップロードできる容量が大きく設定されている場合が多いです(※保存容量に制限がないサービスもあります)。

また、想定していた利用容量より実際の利用量が少ない場合や超えそうな場合にも、容量を柔軟に変更することができ、容量の心配をすることなく利用することが可能です。

なかでも、データを「オブジェクト」という単位で取り扱う「オブジェクトストレージ」であれば、データサイズや保存するデータ数を気にせず、運用することが可能になります。

「IoT」や「AI」に適したクラウドストレージ

企業はどのようなシーンでクラウドストレージを利用するのでしょうか。いくつか事例を挙げてみます。

法人向けクラウドストレージの活用例

  • ファイルサーバー
  • バックアップ
  • 災害対策(DR)
  • ソフトウェアのテストと開発
  • クラウドサービスに付随するデータストレージ
  • IoTなどデータ利活用

ファイルサーバーやバックアップ、特にDRにクラウドストレージが有効なことはよく知られています。さらに最近、これまで以上に注目を集めているのが、「IoT(Internet of Things/モノのインターネット)」などのデータ活用への利用です。

IoTや「AI(人工知能)」を利用したサービスでは、膨大なデータを取り扱う必要があります。そのため、セキュリティやスケーラビリティといった法人向けクラウドストレージサービスのメリットが、最大限に活かせる分野とも言えるのです。

大容量データの取り扱いに適したオブジェクトストレージを提供しているクラウドストレージサービスは、今後、IoTやAIを利用したサービスを支えていくことになるかもしれません。

トータルコストで選ぶクラウドストレージ

クラウドサービスの導入検討の理由に「コスト削減」を挙げる企業は少なくありません。

しかし、クラウドを本当にビジネスに活用するためには、クラウドストレージを使って「何を実現したいか」を重視することが必要です。

「セキュアにファイル共有できる」
「いつでもどこでもインターネット経由で社外からファイルを利用できる」

などは、費用対効果の「見える化」が難しい使い方ですが、それゆえに目に見えるコストだけにとらわれていると、正しい判断ができなくなる恐れもあります。

膨大なカタログや、図面類、プロモーション用や教育用の動画など、情報の共有による生産性の向上やサービス品質の向上など、クラウドストレージを活用することで生じるメリットについても考慮する必要があります。

また、クラウドストレージは保存容量のほかに、データ転送量にも課金される場合があり、そのためトータルコストの面では、オンプレミスよりも不利であるといった指摘もありました。

しかし、保存容量や転送量に対する単価は年々、低下しているのが実情です。また、オンプレミスではハードウェアの保守管理にもコストが必要です。

見える化できないメリットを含めた「トータルコスト」で、クラウドストレージの導入を検討することが重要です。

大容量データの保存・活用にはクラウドストレージが欠かせない時代に

現在、世界中の多くの企業がクラウドストレージを活用しています。誤解を恐れずに言えば、企業が大容量データを保存・活用する場合、多くのケースでオンプレミスよりクラウドサービスを利用した方がコスト削減を実現できるでしょう。

では、企業がクラウドストレージを選択する際のポイントは何でしょうか。その1つがセキュリティであることは言うまでもありません。

また、大容量データを転送が多い場合には、例えばファイルを分割して転送する「マルチアップロード機能」などのサービスも重要になります。クラウドストレージを導入したために、社内のネットワーク環境を低下させては、生産性の向上を望むことはできません。

さらに、「API(Application Programming Interface)」の開発の自由度も確認しておくべきポイントです。アプリケーション同士で連携を行うことで、さらに便利な使い方を実現できる点もクラウドストレージのメリットです。

ユーザーが利用する端末は従来のPCだけではなく、タブレット端末やスマートフォンなど、多彩になりました。クラウドストレージのメリットである「いつでも、どこからでも」を最大限に活かすためには、それぞれの端末からデータを利用できる仕組みを構築する必要があります。それがAPI開発の自由度のチェックポイントになります。

早期導入でクラウドストレージ活用のノウハウを蓄積

クラウドストレージの活用は、IoTやAIを活用する企業にとって重要な検討課題ですが、そのほかの企業にとっても、クラウドストレージの活用によるシームレスな情報共有などの実現は生産性向上に大きく貢献します。

クラウドストレージを導入すると、自分たちのビジネスにどのようなメリットが生じるのか、といった視点から利用を検討してみるのも良いのかもしれません。

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