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技術解説

クラウド仕分けの4つの分類とハイブリッドクラウド

2021年5月25日


クラウド仕分けの4つの分類とハイブリッドクラウド

2025年の崖とは」で解説したように複雑化・ブラックボックス化したレガシーシステムが、DXの推進を阻害するという問題が指摘されています。

このようなレガシーシステムから脱却する解決策として挙げられるのが、クラウドへの「リフト&シフト」です。とはいえ、企業が運用しているシステムの中には、さまざまな理由からクラウド化が難しいものも存在します。クラウド化すればよいのは解っているが、かといって単純にクラウド化できるものでもない。そうしたジレンマに対する現実的な落とし所の1つが「ハイブリッドクラウド」です。

本記事ではクラウド化しやすいシステムとしにくいシステム。そして、それらが共存可能なハイブリッドクラウドについて、解説します。

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クラウド化「しやすいシステム」と「しにくいシステム」を見分ける4つの分類とは

すべてのシステムが同じようにオンプレミスからクラウドへ移行できるわけではありません。企業が運用しているシステムの中には、クラウドへ移行しやすいシステムと移行しにくいシステムが存在します。

そこで、クラウドへの移行計画を立てるにあたって、まずは各システムを「どのような用途で使われているか(重要か)」「更新される頻度はどのくらいか」「将来的にどの程度利用されるのか」といった観点から分析・可視化し、分類してみることをお勧めします。システムを分類することで、そのシステムをクラウドへ移行すべきか、移行するとしたらどのような形で行うのかといった状況が整理できます。システムはほとんどのケースで、以下の4つのいずれかに分類できるでしょう。

機能分割・刷新を行うシステム

主に頻繁にアプリケーションの「エンハンス」や更新が発生する、現役のシステムがこれに分類されます。ただし、既存のシステムをそのままの形でクラウドへ移行するのではなく、例えば、「マイクロサービス化」を行うなど、クラウドの特性にあわせた構成で新たに構築しなおすことも検討するとよいでしょう。

機能追加を行うシステム

近日中に変更や新機能の追加が見込まれるシステムがこれに分類されます。こうしたシステムはできるだけ早い段階でクラウドへの移行を完了し、以後の変更や機能追加は、クラウド上の新システムで行うのがよいでしょう。

現状を維持したいシステム

前述の「機能追加を行うシステム」ほどの更新は発生しないものの現状の業務に必要不可欠なシステムがこれに分類されます。クラウドへの移行自体は行うもののシステムの構成を変更したりはせず、現状の構成のまま塩漬けにするパターンです。このパターンでは、クラウド移行の主目的をシステムの更新や改良よりも「インフラ維持管理の負荷からの解放」に置いています。現時点では既存環境をできるだけ「そのまま移行」し、将来的にはシステムそのものの再構築か廃棄を検討するとよいでしょう。

機能縮小・廃棄するシステム

肥大化したシステムの中で、すでに使われていなかったり、極端に利用頻度が低いシステムがこれに分類されます。こうしたシステムはそもそもクラウドへの移行を行わず、既存のシステムは順次縮退、もしくは廃棄を検討するパターンです。

「リフト&シフト」の解、ハイブリッドクラウドとは

政府が「クラウド・バイ・デフォルト原則」を打ち出したことからもわかるようにこれからのビジネスシーンにおいて、クラウドの利用は必要不可欠と言ってよいでしょう。しかし、企業やシステムによっては、セキュリティポリシーや業務フローの問題からオンプレミスで構築せざるをえないシステムが存在することもまた事実です。

例えば、前述の4つの分類のうち「機能分割・刷新」や「機能追加」に分類されるシステムは、クラウドにあわせた改良や再構築が可能です。つまり、これらのシステムは比較的クラウドに移行しやすいシステムであると言えます。それに対して、業務フローやセキュリティポリシーなどの理由から現状を維持せざるを得ないシステムや利用頻度が低くクラウド移行がコスト的に見合わないシステムも存在します。

そこで、ITシステムをクラウドないしはオンプレミスのみで構築するのではなく、双方のメリットを享受できるよう、両環境を併存させるという方法があります。こうした混在環境を「ハイブリッドクラウド」と呼びます。ハイブリッドクラウドは、クラウドへの「リフト&シフト」を段階的に実現する、現実的な解の1つだと言えるでしょう。

クラウドとオンプレミスには、それぞれにメリットとデメリットがあります。また、既存のシステムはさまざまな歴史的な事情を抱えていることも多く、すべてのシステムをクラウドへ移行することが、必ずしも最適解とは限りません。このような場合は、ハイブリッドクラウドが問題解決のための有効な選択肢となるでしょう。

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