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技術解説

ニューノーマル期に考えるクラウドのメリット

2020年11月11日


ニューノーマル期に考えるクラウドのメリット

2020年、新型コロナウイルスによる感染症の世界的な流行によって、社会の生活様式は大きく変化しました。これにより、アフターコロナの時代においては、従来のビジネスモデルがそのままでは通用しなくなることが予想されます。本記事では「ニューノーマル期に対応するビジネス」という視点から、あらためてクラウドのメリットを見直します。

クラウドを利用する理由とは

総務省が発行している令和元年版 情報通信白書」によると、企業がクラウドサービスを利用している理由は多い順に「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」「どこでもサービスを利用できるから」「サービスの信頼性が高いから」となっています。

ここに挙げられている理由は、クラウドのメリットとして、一般的に言われている内容とほぼ同じです。このことから、クラウドを利用している企業においては、そのメリットを正しく活用できる形で導入が進んでいることが伺えます。

従来であれば、こうしたメリットは「運用負荷を削減する」「コストを最適化する」など、使い勝手やコストの面で語られるのが一般的でした。しかし、ニューノーマル期に求められる企業活動においては、仮にコストメリットなどのアドバンテージを抜きに考えてても、クラウドの活用がより重要となってくることが考えられます。例えば、設備をオンプレミスで保有していると、緊急事態宣言下において不要不急の外出が制限されたような場合に事業継続上のリスクとなる可能性があります。しかし、クラウドであれば、設備を保有する必要がなく、物理的な制約から解放されるため、こうしたリスクを低減できます。

また、どこでもサービスを利用できるというクラウドの特長がテレワークと非常に相性がよいことは言うまでもないでしょう。コストや運用の手間を抑えつつ、セキュアなテレワーク環境を実現するのであれば、クラウドの利用はもはや必須と言ってもよいでしょう。

それでもクラウドを使わない理由とは

前述の令和元年版の情報通信白書によると、クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は58.7%であり、前年より1.8ポイントの増加となっています。全体としてのクラウドの利用率は増加傾向にあるものの、「今後も使う予定がない」と回答した企業の割合も多く、クラウドの利用が進んでいない業種も依然として存在しています。

クラウドの利用が進んでいない業種はさまざまですが、その上位は「製造業」「卸売・小売業」となっています。また、クラウドを使わない理由としては、「セキュリティに不安」や「コストがかかる」といった現実的な課題を抑え、「(クラウドを使う)必要がない」が1位となっています。製造業や卸売業といえば、グローバル規模では巨大なプラットフォーマーがモノのサービス化によるパラダイムシフトを起こしつつある業種です。それにもかかわらず、国内では「クラウドを使う必要がない」というデジタル化の潮流に逆行する判断に至る企業が多いのはなぜでしょうか?

考えられる原因の1つとして、2025年の崖問題でも言及されているDX推進の遅れがあります。こうした問題に代表されるように、日本企業におけるIT化は諸外国に比べて遅れているのが現実であり、その遅れが数値として顕在化していると考えてよいでしょう。しかし、アフターコロナの時代を迎えるにあたって、この遅れをそのままにしておくわけにはいきません。

あらためて、2020年のニューノーマル期における「クラウドのメリット」を再確認してみましょう。

クラウドのコスト

まずは、クラウドのメリットとして最初に挙げられるコスト面から考えてみましょう。

一般的なクラウドサービスでは、ユーザーが利用した時間に応じて費用が発生する、従量制の課金が主流となっています。単にこれだけを見ると、従量課金は「最終的にどれだけの費用かかるのか、使ってみるまで確定しない」という、わかりにくい料金体系に思えるかもしれません。実際、こうしたコスト面への不安から、クラウドへの移行に踏み切れないユーザーも少なくないようです。

しかし、従量課金はクラウド最大の特長である「柔軟なリソースの追加や減少」と組み合わせることで、コストを最適化できるというメリットを生み出します。

オンプレミスでは、初期導入時にまとまった量の設備を購入する必要があります。しかし、この時にサイジングの見積りを誤ると、無駄なコストを発生させてしまいます。また、コロナ禍によるテレワーク需要の急増といった環境の変化により、想定よりも多い人数がシステムを利用することになった場合に設備の増強が追いつかず、ユーザーの要求に対応しきれないこともあります。さらに、一度設備を購入してしまうと、テレワークを継続する人員が減ったり、事業の規模を縮小する場合に初期投資したコストが無駄となってしまうことも考えられます。

対して、クラウドではシステムの規模に応じてオンデマンドでリソースの追加・削減が可能です。そのため、システムを常に最適な規模で運用することができ、さらに使った分だけの費用しかかからないため、無駄なコストを最小限に抑えることができるのです。

クラウドのセキュリティ

クラウドを利用しない理由にセキュリティを挙げる人は多く、前述の令和元年版の情報通信白書でも「必要がない」に続いて「情報漏洩などセキュリティに不安がある」が2位となっています。

従来のセキュリティ対策といえば、ネットワークの内側(企業内ネットワーク)と外側(インターネット)の間にファイアウォールなどの境界を設け、外側からの攻撃を境界で遮断する「境界型セキュリティモデル」が主流でした。境界型セキュリティモデルでは、境界の内側は安全であるという前提でネットワークが運用されます。境界の内側は安全で外側は危険であるという考え方から、境界の外側に存在するクラウドサービスに情報資産を預けることに、漠然とした不安を感じてしまう人がいるのも無理のないことなのかもしれません。

しかし、情報漏洩などのセキュリティリスクは、オンプレミス/クラウドを問わず存在します。現在のサイバー攻撃は非常に巧妙化しており、境界の内側であれば安全であるとは言い切れません。さらにテレワークの利用が急増したことで、企業のネットワークを内側と外側に明確に区別できなくなってきており、結果として境界型セキュリティモデルは過去のものになりつつあるのが現状です。

そこで、注目を集めているのが「ゼロトラストネットワーク」です。前述の通り、境界型セキュリティモデルは、ネットワークの内側は安全であるという前提で構築されています。そのため、ネットワークの内側からの攻撃は想定しておらず、一度ネットワークの内側への侵入を許してしまうと、対策が困難であるという弱点を抱えています。これに対して、ゼロトラストネットワークは、ネットワークの内側と外側を区別せず、通信ごとにアクセスの可否を判定します。

ネットワークの内側からの攻撃に対しても有効な防御策となるゼロトラストネットワークですが、運用するには信頼性の高い認証基盤が必要不可欠となります。これをオンプレミスで運用することも可能ですが、オンプレミスでは構築・運用のコストが大きくなりがちなため、実質的にはクラウドの利用が前提となるでしょう。ゼロトラストについては、政府CIO作成の「政府情報システムにおけるゼロトラスト適用に向けた考え方」も参考になります。

また、ゼロトラストとあわせて、ネットワークを「マイクロセグメンテーション化」するのも、セキュリティレベルを向上させる点で有効です。ネットワークを細かいセグメントに分割することで、特定のセグメントへの不正アクセスを許してしまったとしても、ほかのセグメントへの被害の拡散を防げるためです。クラウドでは、個々のサーバーにファイアウォールを設定することで、簡単にマイクロセグメンテーションを実現することができます。もちろん、物理的なネットワーク機器の設置や結線の変更といった面倒な作業は必要ありません。

クラウドの可用性

システムを安定して動かし続けるには、そのシステムの持つ「可用性」を高める工夫が必要となります。そして、可用性を高めるための基本的なアプローチの1つが、単一障害点(SPoF)となる箇所をなくすことです。システムの基盤となるサーバー・ストレージ・ネットワークなどを冗長化しておき、特定のハードウェアが故障した場合でも、システム全体が停止しない、あるいは短時間で復旧可能な構成となっているのが理想的です。

可用性の高いシステム自体は、オンプレミスでも実現できます。しかし、すべてのハードウェアを冗長化しようとすると、導入コストが膨らむのはもちろん運用管理するための人的工数も規模に応じて大きくなってしまいます。また、オンプレミスでは、感染症や自然災害などによって物理的に社屋に入れなくなるだけで、事業が停止してしまうリスクがあります。さらに、情報システム部門の担当者そのものが単一障害点(SPoF)になってしまう可能性もあるでしょう。

一方、クラウドでは、さまざまな可用性を高める方法をオンプレミスに比べて、低コストで実現できます。特にサーバーなどハードウェアの冗長化は、クラウド事業者に一任できるため、ユーザーは意識する必要すらありません。つまり、高い可用性を確保しつつ、同時に運用工数の削減も見込めます。

クラウドと働き方改革

これからの日本社会では、ますます進む少子高齢化とそれに伴う労働人口の減少により、ITエンジニアの人件費も高騰していくことが予想されています。

ハードウェアの管理・運用は高い専門性を必要とする作業であるものの、その作業自体は企業の生産性や収益性に直接寄与しない業務であるという判断をされることも珍しくありません。そのため、コスト的な理由から専業の担当者を常駐させられず、情報システム担当者がやむをえずシステム全体の管理を兼務するケースも多くなっています。

そこで、こうしたハードウェアの管理・運用業務はクラウド事業者やDC事業者にオフロードし、従業員は本来の事業ドメインに沿った開発業務に注力することで、コストダウンを図りつつ事業拡大や「DX」を実現する原動力とするのが、クラウドを活用した「働き方改革」と言えるでしょう。

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