本文へジャンプします。

TOP
クラウド トップ>クラウドナビ>用語集>クラウドCoE(CCoE)とは

用語集

クラウドCoE(CCoE)とは

2024年1月18日


クラウドCoE(CCoE)とは

近年、企業の情報システムを新規に構築や更新するにあたり、オンプレミスよりもクラウドを優先的に利用する「クラウドファースト」という考え方が広まってきています。とはいえ、まだまだクラウドを利用していない(あるいはできていない)企業も数多く存在します。

このようなクラウドの利用に消極的な組織において、クラウド移行を推進するためには、何よりもクラウドに対する専門知識を持ち、組織全体を牽引していくリーダーシップを発揮できるチームが必要不可欠です。本記事では、そのような役割が期待される「クラウドCoE(以下CCoE)」について、解説します。

CCoEの概要

そもそもCoEとは「Center of Excellence」の略で、ある分野において高度な専門知識やリーダーシップを持った、優秀な人材を集めたチームや組織のことを指す言葉です。CoEは「Excellence Center」とも呼ばれ、特定の部門にとらわれず、全社を横断的に活動し、教育やサポートを行うのが基本的な活動内容となります。CoEを設置することによって、専門知識やノウハウを一箇所に集約することができます。また、CoEが部門を横断して活動することで、こうした技術やノウハウの全社的な共有が可能になるのです。

CCoEとは、文字通りクラウドに関するCoEの呼び名です。

冒頭で述べた通り、現在は「クラウドファースト」の考え方が一般的になってきています。例えば、日本政府もクラウドサービスの利用を第1候補とする、「クラウド・バイ・デフォルト原則」を打ち出しているほどです。また、DXの推進においてもクラウドの利用は不可欠であると考えられています。

しかし、クラウドの導入や最適な運用には高度な専門知識が必要となります。これを各部門がバラバラに行うのは、ノウハウの共有という点でも非効率です。クラウド利用経験のない方にとっては、そもそも実現自体が困難でしょう。

そこで、高い専門知識を有したチームを設置し、このチームが社内を横断して活動することで、効率的なクラウドの導入を可能にするのがCCoEの狙いです。

CCoEの役割

CCoEには、主に以下のような役割が求められています。

全体戦略の策定

まず最初にするべきなのが、全体戦略の策定です。自社において、どのようにクラウドを活用するのかを明確にしましょう。そして、その要件を満たす最適なクラウドサービスを選定します。全体戦略があやふやなままでは、後のすべてのプロセスを正しく遂行することができません。そのため、最も重要なクラウド戦略において肝心要となる部分です。

導入作業のリード

実際のクラウドの導入に向けて、要件定義やスケジューリングを実施します。重要なのが、導入をリードするのはCCoEであっても、実際に利用するのは別の部署であるという点です。そのため、関係部署ときちんと連携を取りながら導入作業を進める必要があります。

ガバナンスの確立

自社におけるクラウド運用のガバナンスを確立しておくことも重要です。セキュリティ対策や利用時のガイドラインなどを、リスクとユーザビリティを天秤に掛けながら、ルールとして策定します。

ナレッジ収集

クラウドは導入したらそれで終わりではありません。より効果的な運用を行うため、クラウドの最新技術を調査したり、社内からの運用フィードバックをキャッチアップして、さらなる改善を行いましょう。

運用自動化

どのようなシステムであれ、人手を介して運用を行ってはいけません。単純に作業効率が悪いだけでなく、人的要因によるミスが発生する可能性もあります。また、ノウハウが属人化するといった組織的な悪影響も避けられません。そこで、クラウドの安定稼働と運用効率化を目指すのであれば、「DevOps」の概念を取り入れ、運用を自動化するべきです。こうした改善の旗振りもCCoEに期待される役割の1つです。

CCoEを組織するメリット

社内にCCoEを組織するメリットとしては、主に以下が挙げられます。

社内調整がスムーズに

CCoEは特定のプロジェクトに縛られず、全社を横断的に活動するチームです。そのため、組織の枠組みを超えて関係部署に直接リーチすることができます。これは、新技術のスムーズな導入作業や運用を可能にします。

ナレッジの集約と全社展開

クラウドのナレッジをCCoEに集約することで、特定のチームに閉じず、横展開を可能にします。これによって、会社全体の生産性向上や業務効率化に繋がります。これもCCoEが組織を横断して活動することに起因するメリットです。

経営視点での効果測定

CCoEは全体を俯瞰した経営視点で目標を設定し、効果測定を行います。そのため、特定のチームの視点よりも広く、経営判断に役立つ情報を取得することができます。

DXについてもっと詳しく知りたい方へ

DX推進のためにもクラウドの導入は必要不可欠です。そして、CCoEのようなサポートチームを社内に設けることは、クラウドを効率よく導入するために非常に有効な手段だと言えるでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加