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用語集

マルチクラウドとは

2020年2月14日


マルチクラウドとは

ニフクラをはじめ、AmazonのAWS、GoogleのGCP、MicrosoftのAzureなど、世の中には数多くのクラウドサービスが存在します。こうした複数のベンダーのクラウドサービスを併用してサービスを構築することを「マルチクラウド」と呼びます。

クラウドは、ベンダーによって提供されている機能やかかるコストはもちろん、運用するサーバーが設置されている国によっては、適用される法律までもが異なります。そのため、特定のクラウドベンダーが提供している機能のみでシステムを構築しようとすると、場合によってはシステムの要件を満たすことが困難であったり、コスト面での折り合いがつけられないということが発生します。

そのような場合、特定のベンダーにこだわらずサービスごとに適したベンダーを選択して組み合わせるマルチクラウド構成を取ることで、システムの要件を満たしつつ、コストを最適化することが可能となります。

マルチクラウドの具体的な例を挙げると、業務の基幹システムは国内法が適用される複数の国内リージョンを持つクラウドサービス上に構築し、開発環境やWebシステムなどは、安価に利用できる海外のクラウドサービスを利用するといった使い方が考えられます。

マルチクラウドのメリット

マルチクラウドのメリットは、さまざまなベンダーの「いいとこ取り」ができるという点です。

クラウドベンダーが提供しているサービスは、基本となる仮想サーバーをはじめ、ロードバランサー、データベース、オブジェクトストレージなど多岐に渡ります。このようなサービスの数々は、すべてのベンダーで等しく提供されているわけではないため、ベンダーAでは提供されている機能がベンダーBでは利用できないというケースもよくあります。このようなケースであっても、マルチクラウドであれば複数のベンダーの機能を組み合わせることで、システムの要件を満たすことができます。さらに、単純に機能の有無だけではなく、「機能は提供されているものの性能差が大きい」「性能は同等なものの価格差が大きい」といったケースもあるでしょう。こうしたケースにおいても、最適なサービスを選択することが可能です。

複数のベンダーのサービスを組み合わせることは、リスク回避という側面でも有効です。クラウドにおいても、ベンダー起因の障害が発生する可能性がありますが、マルチクラウドであれば、特定のベンダーで障害が発生した際の影響をそのベンダー上で動作しているシステムのみに抑えることが可能です。

また、特定のベンダーのサービスに依存しすぎてしまうと、ほかのベンダーへの乗り換えやシステムのリプレイスが困難になる「ベンダーロックイン」に陥る可能性があります。しかし、複数のベンダーを組み合わせるマルチクラウドでは、あらかじめオープンソースの可搬性の高いアーキテクチャでシステムを構築することで、ベンダーロックインの回避策としても有効に機能します。

マルチクラウドのデメリットとその対策

クラウドベンダーのいいとこ取りができるマルチクラウドですが、複数のクラウドを組み合わせるが故のデメリットも存在します。

まずは、コスト面です。複数のクラウドベンダーを利用すると、単一のベンダーを利用した場合に比べ、コストが高くなるケースがあります。また、クラウドベンダーごとに管理用のツールが異なったり、そのベンダー特有のノウハウが要求される場面も珍しくありません。そのため、一般的に管理するクラウドの数が増えるほど、クラウドの利用コストだけでなく、運用にかかるコストも増えてゆく傾向にあります。

ベンダーによっては、アーキテクチャーやデータ形式が異なることもあります。このようなケースでは、将来的に別のベンダーを組み合わせたり、アプリケーションやデータを移行したくなった際に移行作業がスムーズに行えない可能性もあります。

マルチクラウドを効率よく運用するには

こうして見ると、マルチクラウドはメリットよりもデメリットが大きいように感じられるかもしれません。しかし、マルチクラウド化に起因する運用コストの増大は、マルチクラウドを統合管理できるツールを導入することで軽減できる可能性があります。また、ほかのクラウドへの移行に伴う問題は、データ変換サービスを利用したり、アプリケーションをコンテナ化して可搬性を上げるといった対策が存在します。

クラウドサービスは、ベンダーごとにさまざまな特色があるため、より高機能で最適化されたシステムを構築するためにもシステムのマルチクラウド化は検討する価値があるでしょう。

なお、ニフクラでは、エクイニクス・ジャパン株式会社の「Equinix Fabric™」とニフクラを接続する「プライベートアクセス for Equinix Fabric™」を提供しています。これは閉域網のEquinix Fabric™を経由して、お客様拠点と複数のクラウド環境を回線工事不要で接続できるサービスです。本サービスを利用することで、セキュアかつハイパフォーマンスなマルチクラウド環境を簡単に実現できます。

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