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用語集

RPAとは

2023年10月18日


RPAとは

近年、業務改善や働き方改革を推進する一環として、「RPA(Robotic Process Automation)」が注目を集めています。本記事では、RPAの概要とそのメリットについて、解説します。

RPA(Robotic Process Automation)とは

RPAとは、「Robotic Process Automation」の略でPC上で行う作業を人間に代わってソフトウェアロボットに行なわせる、業務の自動化の総称です。定型的な単純作業をツールや端末など活用して、代行・自動化する取り組みはいずれもRPAの一種です。具体的な例を挙げると、「データをシステムに登録する」「登録されているデータを別のシステムに転記する」「メールを送信する」などの作業が該当します。

近年、あらゆる業種・業界・領域でのデジタル化が人々の生活をより良いものへと変化させていくことを意味する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が推進されています。そして、RPAはDXの一環で作業の省力化や効率化を実現する手段として、注目されているのです。また、少子高齢化とそれに伴う労働人口の減少により発生している深刻な人手不足や人件費の高騰も省力化・効率化を進める流れを後押ししています。

人が操作した作業の記録を元にソフトウェアロボットに同様の操作を行わせるのが、RPAの基本です。これにより、人間が操作するのと同じことを指定のスケジュールに沿って、実行させることができます。ただし、RPAはあくまで事前に記録された作業を規定の順番通りに実行することしかできません。そのため、分野ごとに向き不向きがあり、特に都度判断が要求されるような作業には適していません。RPAは、定型作業を繰り返し行うような分野においては、既存の業務を大幅に効率化できる可能性があります。

RPAに作業を行わせるには、自動化プロセスを設定する必要があります。この設定作業は、一見難しそうに感じますが、RPAでは画面操作をそのまま記録したり、ドラッグ・アンド・ドロップといった簡単な操作で行えるため、プログラミングのスキルがないユーザーでも直感的に設定できるのが特徴です。

RPAの利用シーン

RPAの主な利用シーンとしては、以下が挙げられます。

データの登録・転記

あらかじめ作成されたデータをほかのアプリケーションに繰り返し入力するような作業は、RPAが最も効果的に活用できるシーンの1つです。具体的には、受注実績の入力作業や問い合わせ内容の転記などが該当します。

アプリケーションの操作

毎回、決まっている定型的なアプリケーション操作などは、RPAによって真っ先に自動化すべき作業と言えるでしょう。具体的には、リスト化されたユーザーへのメールの送信や特定条件でのワークフローの実行などが該当します。

システムの管理

システムの管理も定型的な操作を繰り返す部分については、RPAの利用を検討するとよいでしょう。社内システムへのデータの入力など、社内・社外のシステムに接続し、操作・連携するような作業にもRPAは応用可能です。

RPAのメリット

RPAの導入には、以下のようなメリットがあります。

従業員の満足度向上

RPAの導入によって、人間による高度な判断を必要としない単純作業から従業員を解放することができます。これによって確保できた人的リソースは、より価値の高い業務に割り当てることができます。これは業務の効率化はもちろん、退屈な単純作業からの解放は従業員のモチベーション向上にも繋がります。

コストの削減

前述のメリットによって、単純作業に従事していた人的リソースが不要となります。それによるコスト削減はもちろん、モチベーション向上は離職率の低下にも繋がります。結果として、新規採用や教育の負荷も軽減し、トータルでのコストの削減になります。

作業の精度向上

これまで人間が実施していた作業をロボットが代わりに実施するため、人的ミスが無くなります。つまり、省力化と同時に作業の精度そのものの向上も期待できます。

RPAとAIの違い

RPAと並んで語られることの多い用語に「AI」があります。AIとは、「Artificial Intelligence」の略で記憶や学習による知識の獲得、推論や判断などの高度な知能を必要とする作業といった「人間の知能」を人工的にコンピューター上で構築し、作業を再現する仕組みや研究のことです。

RPAとAIの最大の違いは、そのシステムの動き方です。RPAは、あらかじめ人間が登録したルールに従って動きますが、AIはシステムがデータを分析し、独自に判断して動きます。繰り返しになりますが、設定されたプロセスを設定された順番通りで実行することしかできないのがRPAです。そのため、プロセスごとに判断が必要であったり、手順が毎回、変わるような業務には適していません。

反対に、AIは蓄積されたデータを元にアルゴリズムが解析を行い、自律的に判断しながら作業を自動化します。それならば、より高度な判断が可能なAIにすべてを任せてしまえば、RPAの出番はないと考えるかもしれません。しかし、AIならばあらゆる判断を任せてよいかと言えばそうでもなく、AIも誤った判断を下すこともありえます。誤判断を減らし、精度を向上させるためには、AIにより多くのデータを蓄積し、学習させる必要があります。そのため、AIはすぐに現場レベルで使い始められるというわけでもなく、運用開始までに時間を要する場合もあります。

これらの理由で定型的な作業であれば、人間が一度設定すればその通りに動き続ける、RPAのシンプルさや導入のしやすさが強みになると言えるでしょう。

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