専有
プライベートリージョン適用指針
ドキュメント情報
- 区分
-
適用指針
- リリース日
-
2023年02月27日
- 留意事項
-
2023年01月 時点の機能、 仕様書第1.13.0版 をもとに作成しております。
機能は順次エンハンスされますので、検討時にはニフクラホームページにて最新情報を確認ください。 - ■ニフクラホームページ
- ■プライベートリージョン
はじめに
-
本ドキュメントではプライベートリージョン適用指針について記載しています。
-
プライベートリージョン(以下、本サービスと言います)は、利用者に共通して提供されている機能やサービスを組み合わせることでシステムを構築します。よって、個別の要望には対応はできません。
-
システム要件によってはプライベートリージョン適用不可となる場合があるため、サービス仕様書及び、本ドキュメントを最後まで確認のうえ、適用可否を判断してください。
-
ニフクラサービスの変更は最新のドキュメントを参照してください。
アイコンの説明
-
本ドキュメント構成図に使用されているアイコンは下記のとおりとなります。
-
リージョン及びゾーンについて特に記載がなければ、単一リージョン、単一ゾーン構成を示します。
-
構成図内の名称は略称で記載されている場合があります。(下記()内が略称の例)
適用判断手順の概要
プライベートリージョンの適用可否を判断するために、以下手順を確認してください。
-
プライベートリージョン概要
-
提供されるサービスについて把握する
-
全体構成を把握し、システム全体の構成を検討する
-
責任分担を把握したうえで、適用可否を判断する
-
-
プライベートリージョン の適用判断事項
-
利用者要件に対応するプライベートリージョンのサービス仕様を確認し、必要となる対処、影響などを検討したうえで、適用可否を判断する
-
-
プライベートリージョンで対応できない要件
-
プライベートリージョンで対応ができない利用者要件や条件などを確認し、適用可否を判断する
-
-
Oracle 製品利用パターン
-
BYOL/アウトソーシング環境を利用したOracle製品の利用方法について
-
-
システムパターンと運用方式の検討
-
可用性・業務継続性からシステムパターンを選択する
-
サービス利用上の注意点から運用方式を検討する
-
-
Appendix
-
利用開始までの流れ
-
契約更新時に関して
-
その他Tips
-
適用判断手順の概要(設置タイプ)
ニフクラの設置タイプは、大きく分けて4種類あります(下図を参照)。
本ドキュメントでは、特に断りがない限りプライベートリージョン(お客様先設置型、DC利用型)についての適用判断手順を掲載しています。
プライベートリージョン(お客様先設置型) |
プライベートリージョン(DC利用型) |
プライベートリソース |
パブリッククラウド(IaaS) |
|
---|---|---|---|---|
サーバー専有 |
専有 |
専有 |
共有 |
|
ストレージ専有 |
専有 |
専有 |
専有/共有 |
共有 |
ネットワーク |
専有 |
専有 |
共有 |
共有 |
DC |
お客様 |
ニフクラDC |
ニフクラDC |
ニフクラDC |
適用判断手順の概要(規模種類)
プライベートリージョンではリソース規模に応じて3つのプラン「Small v.1 /Medium v.1 / Largev.1」が用意されています。要望のシステム規模に合うリソース規模を選択してください
Small v.1 |
Medium v.1 |
Large v.1 |
|
---|---|---|---|
~100VM相当 |
100VM~1,000VM |
1,000VMを超える利用を見込む |
|
推奨エンドユーザー |
自社利用・プロジェクト単位での利用 |
自社もしくはグループ会社内利用 |
|
導入タイミング |
|
||
備考/顧客例 |
|
|
|
1.プライベートリージョン概要
提供内容
Small v.1 / Medium v.1 / Large v.1ともに、提供内容(メニュー)は、基本プランに加えて、希望の追加オプションを利用可能できます。要件を満たすためのオプションがあるか、確認し検討してください。
※1 基本プラン申し込み時のみ選択可能なオプションです
※2 Largev.1のみへの提供です
※3 基本プランに加え追加オプションの申し込みも必要です
プライベートリージョンの全体構成
-
プライベートリージョンは、完全に外部接続を遮断し利用できます
-
サービスで提供する環境とIaaS管理系システムのリソースは物理的に分離しています
-
サービスネットワークとメンテナンスネットワークには接続性はありません
-
-
全体構成を把握し、システムとしての構成要件を満たせるか確認してください。
※1 BGP接続必須
※2 接続制限有(1Gbpsのみ/MACアドレス/pps制限/ポート上限等)
※3 ニフクラが管理するハイパーバイザー層から払い出している仮想マシンへはアーキテクチャ上アクセスできません。アーキテクチャの詳細はVMware社公開のホワイトペーパーを参照してください。
https://www.vmware.com/content/dam/digitalmarketing/vmware/en/pdf/whitepaper/techpaper/vmw-white-paper-secrty-vsphr-hyprvsr-uslet-101.pdf
※4 各接続ポイントにFW装置などの設置を相談可能です。ただし、サービス仕様書へ準じた対応となります。
※5 サービスネットワークは外部接続せずに利用可能です。(インターネット接続も可能、なお、PaaS等利用の場合はインターネットへの接続が必要です)
お客様先設置型/DC利用型の提供範囲(利用者との責任分担)
お客様先設置型/DC利用型の提供範囲(利用者との責任分担)を記載します。利用者責任箇所に関して運用可能か、FJCT責任範囲に関して、ベンダに任せてよいか確認してください。
レイヤー |
範囲 |
責任 |
|
---|---|---|---|
DC利用型 |
お客様先設置型 |
||
アプリケーション |
仮想サーバー上で稼働するアプリケーション及びミドルウェア全般 |
利用者 |
利用者 |
ミドルウェア |
|||
OSイメージ |
|
||
仮想サーバーOSの払い出し |
FJCT |
FJCT |
|
クラウド機能(コントロールパネル/API) |
新機能の提供、既存機能の拡張 |
||
仮想化基盤(VMware vSphereなど) |
仮想化基盤の構築・運用管理
|
||
ハードウェア(サーバー・ストレージ・ネットワーク機器) |
ハードウェアの調達(新規/増強)・構築・運用管理、基盤システムキャパシティ管理 |
||
基盤リソース管理 |
|
利用者 |
利用者 |
ファシリティ |
ハードウェア設置用ラック提供、電源設備、空調管理 |
FJCT |
|
インターネット回線及び上位ネットワーク |
利用者 |
2.プライベートリージョンの適用判断事項
利用と決定までの検討フロー
プライベートリージョン利用、Small v.1 / Medium v.1 / Large v.1のメニュー決定までに検討を必要とする事項があります
可用性
利用者の要件に対応するプライベートリージョンサービス仕様(①)を確認し、利用者側で必要となる対処(②)、影響など(③)を検討したうえで、プライベートリージョンの適用可否を判断します。
No. |
要件 |
プライベートリージョンの仕様 |
||
---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
||
1.1 |
可用性 |
継続性 |
運用スケジュール |
|
1.2 |
稼働率 |
|
||
1.3 |
耐障害性 |
ネットワーク |
|
|
1.4 |
ストレージ |
|
||
1.5 |
災害対策(DR) |
|
性能・拡張性
No. |
要件 |
プライベートリージョンの仕様 |
選択値・条件 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
|||||
2.1 |
性能・拡張性 |
リソース拡張性 |
vCPU |
|
|||
2.2 |
メモリ |
|
|||||
2.3 |
ストレージ |
|
|
||||
2.4 |
スケールアップ |
|
|
||||
2.5 |
スケールアウト |
|
|||||
2.6 |
性能品質保証 |
|
運用・保守性
No. |
要件 |
ニフクラの仕様 |
選択値・条件 |
||
---|---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
|||
3.1 |
運用・保守性 |
通常運用 |
バックアップ |
|
|
3.2 |
運用監視 |
|
|
||
3.3 |
保守運用 |
計画停止 |
|
|
|
3.4 |
パッチ適用 |
|
|||
3.5 |
運用環境 |
開発用環境の設置 |
|
||
3.6 |
試験用環境の設置 |
|
|||
3.7 |
サポート体制 |
|
セキュリティ
No. |
要件 |
ニフクラの仕様 |
選択値・条件 |
||
---|---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
|||
4.1 |
セキュリティ |
アクセス・利用制限 |
認証機能 |
|
|
4.2 |
利用制限 |
|
|||
4.3 |
データの秘匿 |
伝送データの暗号化の有無 |
|
||
4.4 |
蓄積データ暗号化の有無 |
|
|||
4.5 |
不正追跡・監視 |
|
|||
4.6 |
不正アクセス検知・監視 |
|
|||
4.7 |
ネットワーク対策 |
ネットワーク制御 |
|
||
4.8 |
ネットワーク対策 |
セグメント分割 |
|
1IDあたり最大7本/ゾーン |
|
4.9 |
マルウェア対策 |
|
|||
4.10 |
ディスク破壊サービス |
|
以下の適用対象サービス申し込み時にのみ、本サービスの申し込みが可能。 |
データセンター
No. |
要件 |
ニフクラの仕様 |
選択値・条件 |
||
---|---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
|||
5.1 |
データセンター |
外部監査 |
|
|
|
5.2 |
データセンターロケーション |
動作環境
No. |
要件 |
ニフクラの仕様 |
||
---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
||
6.1 |
動作環境 |
動作仕様 |
対応OS (スタンダードイメージ) |
|
6.2 |
対応OS (VMインポート) |
8. これら以外のOSでも利用者責任でインポートを試すことは可能。動作可否についてはニフクラでは確認しない。
|
||
6.3 |
仮想サーバーのタイプ |
|
||
6.4 |
VMware Toolsのバージョン |
12. VMware-Toolsのバージョン表記は、バージョンが「10.1.15」未満の場合は「10.1.15以前のバージョン」と表示される。
|
||
6.5 |
ストレージ容量 |
|
||
6.6 |
ネットワーク接続形態 |
13. ハウジング接続サービスの詳細については、https://pfs.nifcloud.com/pdf/housing_spec_pr.pdf を参照してください。
|
サービス利用/システム特性/移行
No. |
要件 |
ニフクラの仕様 |
選択値・条件 |
||
---|---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
|||
7.1 |
サービス利用 |
稼働状況報告 |
|
||
8.1 |
システム特性 |
負荷分散への対応 |
|
1ロードバランサー(L4)で3ポート設定可能 |
|
8.2 |
システム連携 |
|
|||
9.1 |
移行 |
移行方法 |
|
【VMインポート】 |
3.プライベートリージョンで対応できない要件
操作権限/サービス提供方法
プライベートリージョンを適用できない主な条件を示します。以下の不適合条件に合致する要求がある場合、ハウジング環境への設置、専有コンポーネントの利用、または他のクラウドやオンプレミスを検討してください。
不適合条件 |
理由 |
|
---|---|---|
操作権限 |
仮想化基盤の操作権限が必要 |
プライベートリージョンでは、仮想化基盤の運用管理はサービスで実施します。利用者に操作権限を譲渡できません。 |
サービス提供方法 |
インターネットへのアクセスはすべて許容できない |
ニフクラのコントロールパネル/APIの管理システムは、ニフクラ(パブリッククラウド)と共有となります。 |
動作環境/サポート
プライベートリージョンを適用できない主な条件を示します。以下の不適合条件に合致する要求がある場合、ハウジング環境への設置、専有コンポーネントの利用、または他のクラウドやオンプレミスを検討してください。
不適合条件 |
理由 |
|
---|---|---|
動作環境 |
物理機器の利用が必要 |
プリンタ・FAX・スキャナ・テープデバイスなどの物理機器をプライベートリージョンで利用できません。 |
システム要件として高性能なCPUスペックが必要 |
提供されているvCPU以外を利用できません。 |
|
厳密なレスポンスタイムが要求されるシステム |
プライベートリージョンで提供する各サービスの性能は特に言及がない限りベストエフォートでの提供となります。 |
|
インフラ基盤に対する厳格な動作要件を持つシステム |
インフラ基盤に特別な設定が必要となるシステムは、プライベートリージョンでは稼働できない可能性があります。 |
|
サポート |
OSなどのインフラ基盤より上位層について、それぞれサポート契約が必要 |
14. 問い合わせ窓口は、富士通のサポートデスクとなります。
|
4.Oracle製品利用パターン
Oracle製品の利用について
下記の利用パターンから利用方法を検討してください。
利用パターン |
利用方法 |
---|---|
ハウジング環境(パターン1) (ハウジング接続利用) |
ハウジング環境に設置したサーバーへOracle製品を導入して利用します。 |
ハウジング環境(パターン1)
構成図補足
① |
Oracle製品のライセンスやインストール作業は利用者にて手配 |
② |
アウトソーシング環境の手配、ネットワーク設備・サーバーの設置、構築は利用者にて実施 |
5.システムパターンと運用方式の検討
【参考】ニフクラ(パブリック)のリージョンとゾーンについて
-
ニフクラ(パブリック)は契約することで複数のリージョンを利用できます。リージョンの定義は国や地域など、地理的に離れた場所を指します。
-
リージョンの中に複数のゾーンが存在し、別のシステムとして運用されています。サーバーが収容されているラックや電源、ストレージなどは、ゾーン別に分離されています。
※リージョンによってゾーンの数は異なります。
プライベートリージョンのリージョンについて
-
プライベートリージョンの提供はDC利用型の場合、東日本east-1、西日本jp-west-2リージョンが利用可能です。お客様先設置型の場合、ファシリティ要件を満たせば設置可能です。
-
1つのプライベートリージョンで複数ゾーンの提供はありません。複数のプライベートリージョンを利用することで複数リージョンの利用は可能です。
システムパターンの検討
プライベートリージョンで想定できるシステムパターンは下記のとおりです。
※本パターン以外も実装できる可能性があります。要件に応じて検討してください。
システムパターン |
構成コンポーネント |
構成例 |
利用シーン |
---|---|---|---|
シングルリージョン |
プライベートリージョン |
|
|
マルチリージョン |
|
|
|
|
|
||
|
|
||
ハイブリッド |
|
|
|
No.1 シングルリージョン
シングルリージョン構成としたロケーションサービスによる冗長性を持たない運用としたシステム構成例の概念図です。※図に記載された吹き出し番号は次ページからの番号に対応しています。
システムパターン |
構成コンポーネント |
構成例 |
利用シーン |
---|---|---|---|
シングルリージョン |
プライベートリージョン |
east-1 DC利用型プライベートリージョン |
|
以下にシステム構成例を実現するために利用者が実施すべき作業を記載します。
No. |
利用者が実施すべき作業内容 |
---|---|
1 |
シングルリージョン構成としたロケーションサービスによる冗長性を持たないシステム構成例となります。 [16] 本構成例を実現するために利用者側が実施すべき作業を以下に記載します。
|
検討事項(リージョン障害時/メンテナンス時)
本パターンを構築するための主要検討事項を以下に記載します。
No. |
検討事項 |
対策観点 |
検討内容 |
検討時の重点ポイント |
---|---|---|---|---|
1 |
リージョン障害 |
災害対策(地理的冗長) |
シングルリージョン構成のため、利用中のリージョンが復旧するまでシステムが利用不可となります。 |
- |
2 |
物理サーバー |
メンテナンス時対策 |
物理サーバー上の仮想サーバーをマイグレーションにより、別物理サーバーへ移動します。仮想サーバーの再起動はありません。 |
|
3 |
ネットワークノード |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードの切り替えが発生し、経路切り替えにともなう瞬間的な通信断が発生する場合があります。 |
|
4 |
ストレージノード |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードやコントローラ切り替えにともなう、瞬間的なI/O遅延または断が発生する場合があります。 |
|
5 |
仮想サーバー |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードやコントローラ切り替えによって、ニフクラ上に構築したシステムも瞬間的な通信断やI/O遅延または断が発生する場合があります。 |
|
検討事項(クラウド基盤障害時)
本パターンを構築するための主要検討事項を以下に記載します。
No. |
検討事項 |
対策観点 |
検討内容 |
検討時の重点ポイント |
選択値・条件 |
---|---|---|---|---|---|
6 |
物理サーバー |
クラウド基盤障害対策 |
仮想サーバーには標準でHA機能が装備されているため、仮想サーバーの稼働中にデータセンター内の物理サーバーが故障などにより停止した場合、そのホスト上で稼働していた仮想サーバーを、自動的に別のホストに移動して稼働させることができます。 |
|
|
7 |
ネットワーク機器 |
クラウド基盤障害対策 |
ネットワーク機器に異常が発生した場合、正常な基盤に原則自動的に経路が切り替わり、復旧します。 |
|
|
8 |
ストレージ機器 |
クラウド基盤障害対策 |
ネットワーク機器切り替えの際に、ネットワーク通信断が発生する場合があります。ネットワーク機器やストレージ機器に異常が発生した場合、正常な基盤に原則自動的に経路またはコントローラが切り替わり、復旧します。 |
|
|
9 |
仮想サーバー |
クラウド基盤障害対策 |
仮想サーバーのOS層以上については、サービス側での対策はありません。 |
|
|
10 |
監視 |
クラウド基盤障害対策 |
ニフクラ内に構築した監視サーバーを利用した場合、ネットワーク障害時に監視不可となる可能性があります。 |
|
|
11 |
バックアップ |
クラウド基盤障害対策 |
シングルリージョン構成の場合、リージョン単位に障害が発生した際、データを別環境へ保存していないため、バックアップデータからの復旧が前提となります。
|
|
|
No.2 マルチリージョン
本構成は各リージョンでActive/Activeとする構成を前提としたシステム構成例の概念図です。本例ではeast-1 DC利用型プライベートリージョン、jp-west-2パブリッククラウドを利用した構成を記載しています。※図に記載された吹き出し番号は次ページからの番号に対応しています。
システムパターン |
構成コンポーネント |
構成例 |
利用シーン |
---|---|---|---|
マルチリージョン |
プライベートリージョン |
east-1 DC利用型プライベートリージョン |
|
以下にシステム構成例を実現するために利用者が実施すべき作業を記載します。
No. |
利用者が実施すべき作業内容 |
---|---|
2 |
各リージョンでActive/Standbyとしたシステム構成例になります。 [18] 本構成例を実現するために利用者側が実施すべき作業を以下に記載します。
18. 1つのシステムにフォーカスした構成例です。プライベートリージョン環境のため利用上限の範囲内で複数システムの搭載も可能です。
19. マルチロードバランサー、L7ロードバランサー(Ivanti Virtual Traffic Manager)でも構築可能です。
20. 業務データはリージョン間接続経由でセカンダリリージョン側へ転送します。
21. プライマリ側のロードバランサー(L4)へのヘルスチェックがエラーとなり、一定の切り替え条件を満たせば、自動的にセカンダリ側のロードバランサー(L4)のIPアドレスをDNSが返却するようになります。
22. セカンダリリージョンへバックアップデータ保存用仮想サーバーを構築します。
|
検討事項(リージョン障害時)
本パターンを構築するための主要検討事項を以下に記載します。
No. |
検討事項 |
対策観点 |
検討内容 |
検討時の重点ポイント |
選択値・条件 |
---|---|---|---|---|---|
1 |
リージョン間接続 |
災害対策(地理的冗長) |
リージョン間通信をする場合、ハウジング接続経由で専用線/閉域網での接続やインターネット回線を利用できます。 |
|
|
2 |
仮想サーバー |
災害対策(地理的冗長) |
リージョン間で冗長化した構成が可能となるため、リージョン間でサーバーを構築します。 |
|
|
3 |
業務データ |
災害対策(地理的冗長) |
復旧時間を短縮するために、利用者にてリージョン間でデータ同期の仕組みを構築する必要があります。 |
|
リージョン間での業務データ同期サービスは未提供です。 |
4 |
DNSサービス+ロードバランサー(L4) |
災害対策(地理的冗長) |
DNSサービスの「ゾーン管理」「レコード設定」機能を利用して、ロードバランサー(L4)のIPアドレスを登録します。 |
|
|
5 |
リージョン監視 |
災害対策(地理的冗長) |
|
||
6 |
バックアップ |
災害対策(地理的冗長) |
リージョンを跨いだバックアップを検討する必要があります。ニフクラのソリューションサービスである「バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)」を利用するか、サードパーティー製のバックアップソフトウェアを利用する方法があります。バックアップソフトウェアを利用し、セカンダリリージョン側の仮想サーバーへアタッチしたブロックストレージへリージョン間接続間経由でデータ転送を行います。「バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)」を利用する場合、Acronisクラウドへバックアップの取得が可能です。 |
|
検討事項(メンテナンス時)
本パターンを構築するための主要検討事項を以下に記載します。
No. |
検討事項 |
対策観点 |
検討内容 |
検討時の重点ポイント |
---|---|---|---|---|
8 |
物理サーバー |
メンテナンス時対策 |
物理サーバー上の仮想サーバーをマイグレーションにより、別物理サーバーへ移動します。仮想サーバーの再起動はありません。 |
|
9 |
ネットワークノード |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードの切り替えが発生し、経路切り替えにともなう瞬間的な通信断が発生する場合があります。 |
|
10 |
ストレージノード |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードやコントローラ切り替えにともなう、瞬間的なI/O遅延または断が発生する場合があります。 |
|
11 |
仮想サーバー |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードやコントローラ切り替えによって、ニフクラ上に構築したシステムも瞬間的な通信断やI/O遅延または断が発生する場合があります。 |
|
検討事項(クラウド基盤障害時)
本パターンを構築するための主要検討事項を以下に記載します。
No. |
検討事項 |
対策観点 |
検討内容 |
検討時の重点ポイント |
選択値・条件 |
---|---|---|---|---|---|
12 |
物理サーバー |
クラウド基盤障害対策 |
仮想サーバーには標準でHA機能が装備されているため、仮想サーバーの稼働中にデータセンター内の物理サーバーが故障などにより停止した場合、そのホスト上で稼働していた仮想サーバーを、自動的に別のホストに移動して稼働させることができます。このため、物理障害についてはHAでの自動復旧が見込めますが、この際、仮想サーバーは強制シャットダウンで停止し、別物理サーバー上で再起動します。 |
|
|
13 |
ネットワーク機器 |
クラウド基盤障害対策 |
ネットワーク機器に異常が発生した場合、正常な基盤に原則自動的に経路が切り替わり、復旧します。 |
|
|
14 |
ストレージ機器 |
クラウド基盤障害対策 |
ネットワーク機器切り替えの際に、ネットワーク通信断が発生する場合があります。ネットワーク機器やストレージ機器に異常が発生した場合、正常な基盤に原則自動的に経路またはコントローラが切り替わり、復旧します。 |
|
|
15 |
仮想サーバー |
クラウド基盤障害対策 |
バックアップを提供しています。定期的な自動バックアップや任意のタイミングで仮想サーバーのバックアップを取得する機能です。エージェントレスでOS領域だけではなく、増設したディスクのデータも丸ごとバックアップします。トラブル発生時には、取得したバックアップデータから、別サーバーとして新規作成し、バックアップ時の状態で復元させることが可能です。 |
|
No.3 ハイブリッド
本構成はプライベートリージョンとオンプレミス環境でハイブリッド構成としたシステム構成例の概念図です。本例ではeast-1 DC利用型プライベートリージョンとハウジング接続を経由してハウジング環境と接続した構成を記載しています。※図に記載された吹き出し番号は次ページからの番号に対応しています。
システムパターン |
構成コンポーネント |
構成例 |
利用シーン |
---|---|---|---|
ハイブリッド |
プライベートリージョン |
east-1 DC利用型プライベートリージョン |
|
以下にシステム構成例を実現するために利用者が実施すべき作業を記載します。
No. |
利用者が実施すべき作業内容 |
---|---|
3 |
ハイブリッド構成としたシステム構成例になります。
[24]
|
検討事項(リージョン障害時/メンテナンス時)
本パターンを構築するための主要検討事項を以下に記載します。
No. |
検討事項 |
対策観点 |
検討内容 |
検討時の重点ポイント |
---|---|---|---|---|
1 |
リージョン障害 |
災害対策(地理的冗長) |
シングルリージョン構成のため、利用中のリージョンが復旧するまでシステムが利用不可となります。 |
- |
2 |
物理サーバー |
メンテナンス時対策 |
物理サーバー上の仮想サーバーをマイグレーションにより、別物理サーバーへ移動します。仮想サーバーの再起動はありません。 |
|
3 |
ネットワークノード |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードの切り替えが発生し、経路切り替えにともなう瞬間的な通信断が発生する場合があります。 |
|
4 |
ストレージノード |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードやコントローラ切り替えにともなう、瞬間的なI/O遅延または断が発生する場合があります。 |
|
5 |
仮想サーバー |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードやコントローラ切り替えによって、ニフクラ上に構築したシステムも瞬間的な通信断やI/O遅延または断が発生する場合があります。 |
|
検討事項(クラウド基盤障害時)
本パターンを構築するための主要検討事項を以下に記載します。
No. |
検討事項 |
対策観点 |
検討内容 |
検討時の重点ポイント |
選択値・条件 |
---|---|---|---|---|---|
6 |
物理サーバー |
クラウド基盤障害対策 |
仮想サーバーには標準でHA機能が装備されているため、仮想サーバーの稼働中にデータセンター内の物理サーバーが故障などにより停止した場合、そのホスト上で稼働していた仮想サーバーを、自動的に別のホストに移動して稼働させることができます。このため、物理障害についてはHAでの自動復旧が見込めますが、この際、仮想サーバーは強制シャットダウンで停止し、別物理サーバー上で再起動します。 |
|
|
7 |
ネットワーク機器 |
クラウド基盤障害対策 |
ネットワーク機器に異常が発生した場合、正常な基盤に原則自動的に経路が切り替わり、復旧します。 |
|
|
8 |
ストレージ機器 |
クラウド基盤障害対策 |
ネットワーク機器切り替えの際に、ネットワーク通信断が発生する場合があります。ネットワーク機器やストレージ機器に異常が発生した場合、正常な基盤へ原則自動的に経路またはコントローラが切り替わり、復旧します。 |
|
|
9 |
仮想サーバー |
クラウド基盤障害対策 |
仮想サーバーのOS層以上については、サービス側での対策はありません。 |
|
|
10 |
監視 |
クラウド基盤障害対策 |
ニフクラ内に構築した監視サーバーを利用した場合、ネットワーク障害時に監視不可となる可能性があります。監視要件によってはハウジング環境へ監視サーバーを設置してください。 |
|
|
11 |
バックアップ |
クラウド基盤障害対策 |
シングルリージョン構成の場合、リージョン単位に障害が発生した際、データを別環境へ保存していないため、バックアップデータからの復旧が前提となります。バックアップデータは同一リージョン内への保存となるため、リージョン障害にてバックアップデータが破損する可能性もあります。
|
|
|
Appendix
利用開始までの流れ
お客様先設置型
-
問い合わせ(利用者)
-
事前ヒアリング(FJCT、利用者)
-
プライベートリージョン利用の検討のため、事前ヒアリングを実施します。
-
-
DC仕様確認/利用プラン決定/ファシリティ決定(FJCT、利用者)
-
事前ヒアリングの後、利用の詳細内容の検討フェーズへと進みます。提供内容(利用メニュー)の決定のほか、プライベートリージョンを設置予定のデータセンター仕様を確認のうえ、ファシリティ構成を決定します。
-
-
申し込み(利用者)
-
利用申請書を提出してもらいFJCTが受領すると、サービス利用契約が成立します。
-
-
ファシリティ引き渡し(利用者)
-
環境構築(最短4.5カ月)/機器手配含む(FJCT)
-
サービス利用契約の成立後、FJCTにてニフクラ基盤システムの環境構築をします。環境構築期間は、機器調達期間を含んで原則最短4.5カ月です
-
-
ニフクラID受取利用開始(利用者)
-
ニフクラ基盤システムの環境構築が完了後、プライベートリージョンが利用可能となります
-
環境引き渡し後、利用料金が発生します。
-
-
留意事項
-
申し込みにあたって、FJCT規程の審査があります。
-
利用メニューにより、引き渡し時期に変動を生じる場合があります。
引き渡し時期は別途調整となります。 -
ファシリティ構成及び利用メニューの決定は、申し込みの前までに相談のうえ決定する必要があります。申し込み~利用開始までの期間において、確定した内容の追加・変更は、原則として対応できないため留意してください。
-
世界的な半導体不足の影響により、標準納期を守れない場合があります。検討に際しては、弊社サポート窓口又は販売パートナー様窓口より最新の納期状況を確認してください。
-
DC利用型
-
問い合わせ(利用者)
-
事前ヒアリング(FJCT、利用者)
-
プライベートリージョン利用の検討のため、事前ヒアリングを実施します。
-
-
利用プラン決定(FJCT、利用者)
-
事前ヒアリングの後、利用の詳細内容の検討フェーズへと進みます。ご提供内容(利用メニュー)を決定します。
-
-
申し込み(利用者)
-
利用申請書を提出してもらいFJCTが受領すると、サービス利用契約が成立します。
-
-
ファシリティ準備/環境構築(最短4.5カ月)/機器手配含む (FJCT)
-
サービス利用契約の成立後、FJCTにてニフクラ基盤システムの環境構築をします。環境構築期間は、機器調達期間を含んで原則最短4.5カ月です
-
-
ニフクラID受取利用開始(利用者)
-
ニフクラ基盤システムの環境構築が完了後、プライベートリージョンが利用可能となります
-
環境引き渡し後、利用料金が発生します。
-
-
留意事項
-
申し込みにあたって、FJCT規程の審査があります。
-
利用メニューにより、引き渡し時期に変動を生じる場合があります。
引き渡し時期は別途調整となります。 -
ファシリティ構成及び利用メニューの決定は、申し込みの前までに相談のうえ決定する必要があります。
-
申し込み~利用開始までの期間において、確定した内容の追加・変更は、原則として対応できないため留意してください。
-
世界的な半導体不足の影響により、標準納期を守れない場合があります。検討に際しては、弊社サポート窓口又は販売パートナー様窓口より最新の納期状況を確認してください。
-
契約更新時に関して
契約更新時のマイグレーション対応
-
初期の基本プラン契約期間、追加オプションはそれぞれ5年です。
-
契約更新時の移行費用は不要です(ただし次世代のインフラ設置場所によって追加費用が発生します)。
-
移行期間は1年、原則的に活性マイグレーションにて行います。
-
追加オプションの「専有コンポーネントサービス」「ハウジング接続」は非活性のマイグレーションとなります。メンテナンス調整は可能です。
-
移行作業はFJCTにて実施します。メンテナンス時は、数秒程度の通信断が発生します。メンテナンスは原則パブリッククラウドと同一ポリシーとなります。その他、計画メンテナンスは事前通知後に行います。契約満了の15カ月前までに延長可否を判断してください。
-
お客様先設置型を利用する場合、契約更新が決まり次第、利用者は「前世代環境+1ラック」をリプレース後の環境として用意してください。
-
2世代目以降の契約期間は4年です。
マイグレーションスケジュールサンプル
契約年数 |
初期(1世代目) |
2世代目 |
3世代目 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
基本プラン |
追加オプション |
基本プラン |
追加オプション |
基本プラン |
追加オプション |
|
1 |
契約期間 |
|||||
2 |
||||||
3 |
||||||
4 |
契約期間 |
|||||
5 |
移行期間 |
|||||
6 |
契約期間 |
|||||
7 |
||||||
8 |
移行期間 |
|||||
9 |
契約期間 |
移行期間 |
||||
10 |
契約期間 |
|||||
11 |
||||||
12 |
移行期間 |
|||||
13 |
契約期間 |
|||||
14 |
||||||
15 |
||||||
16 |
その他Tips
ラック数の目安
お客様先設置型を利用する場合、選択するサービスに応じてラック数の目安を仕様書に記載しています。ラック数に関して表に記載します。
-
プライベートリージョンサービス仕様書 第1.14.0版時点
メニュー |
必要ラック数 |
追加単位 |
備考 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
small |
medium |
large |
||||
基本プラン |
最小構成 |
2 |
2 |
4 |
1式 |
|
初期追加パック |
※A |
※B |
※C |
- |
追加上限:small:6式、medium:12式、large:42式 |
|
ロードバランサー |
1 |
1 |
1 |
1式 |
1式目は最小構成に内包できる可能性あり |
|
追加オプション |
vCPU/メモリ |
1 |
1 |
1 |
1式 |
|
ローカルディスク |
1 |
1 |
1 |
1式 |
||
高速ディスク |
1 |
1 |
1 |
1式 |
高速ディスクAと高速ディスクBはそれぞれ異なるラックに設置する必要があり |
|
標準ディスク |
- |
- |
1 |
1式 |
||
フラッシュドライブ |
- |
- |
1 |
1式 |
||
高速フラッシュドライブ(従量型) |
1 |
1 |
1 |
1式 |
作成済みのディスクの総容量が80TBに達するごとを目安に隣接する1ラックが必要 |
|
ハウジング接続 |
1 |
1 |
1 |
ハウジング接続基本プラン1式 |
-
留意事項
-
申し込みの内容の組み合わせ(新規・追加双方)による利用者ごとのケース別に狂いのないラック数の案内が難しいため、すべての基本パック及び追加オプションをゼロベース(適当な空きラックがない状態とみなし)で考えられるラック数の目安となります。
-
そのため受注後に物理的な詳細設計をする段階でラック数を減らせる可能性があり、受注後の詳細決定後にラック数は最終決定となります。
-
お客様DC設置型のラック要件に対する実際のファシリティ状況と搭載する選定機器が変わる(今後終売により変更されることによる重量・消費電力変更)ことにより必ず記載のとおりになることは保証できません。
-
ラック間が大きく離れてしまう等の理由により、提供する設備の範囲で本サービスの提供が困難な場合は追加料金が別途必要となる場合があります。
-
サービス仕様書3.2.1.2要件 ラック要件(お客様先設置型のみ)を満たす場合の目安となります。本ラック要件を満たせない場合はこの限りではありません。
-