ニフクラ コンサルティング事業事例「コンサルティングサービス」
FinTechサービスのシステム基盤として、DR環境を容易に構築できるニフクラを採用
ケンファーストは、金融系システム構築で培った品質・セキュリティノウハウにより、さまざまな顧客の課題を解決するシステム構築を実現しているSIerである。同社が受託開発した法人向けFinTechサービスを運用する顧客から、万一の災害対策を含め安定的に運用できるシステム基盤について相談を受け、ニフクラを提案。万一の際もフェイルオーバーが可能で、かつ閉域網を用いたサービスを、自社構築よりも運用コストを抑制して実現することができた。
佐久間 直 氏
株式会社ケンファースト 執行役員 SI事業部長
田所 貴士 氏
株式会社ケンファースト SI事業部 課長
佐藤 貴之 氏
株式会社ケンファースト SI事業部 主任
——DR構成を含む高品質なインフラを安価に迅速に実現
金融系システム構築に豊富な経験を持つケンファーストは、ある顧客企業の法人向けFinTechサービスを受託開発した。従来その顧客は、オンプレミスのサーバーをハウジングで運用しており、かなりのランニングコストがかかっていた。さらに運用上でも課題もあったと、株式会社ケンファースト 執行役員 SI事業部長 佐久間直氏は話す。「システムが1台構成であったため、万が一の障害時や災害時にはサービスが停止してしまう恐れがありました。しかし、新たにDRサイトを構築するとなると、現状よりもコスト増になってしまいます。コストを抑制しつつ、災害時の対策ができる方法はないかと相談を受けました」。
この相談を受ける以前に、株式会社ケンファースト SI事業部 課長 田所貴士氏は別の顧客の案件でECサービスの運用をニフクラに切り替える作業を行っていた。当時の移設作業について田所氏は「以前、外資系の大手クラウドサービスなどを使ったことはあったのですが、英語表記であることとサポート面の不十分さから不便さを感じていました。それに比べてニフクラはインターフェイスがシンプルでわかりやすく、サポート面もしっかりしていて、使いやすいと感じました」と評価している。
その経験を踏まえ、今回相談された機能性やコスト面を実現するためのFinTechサービスの新たな基盤として、ニフクラが適しているのではないかと検討を開始した。ほかの外資系クラウドサービスとも比較検討した結果、DR構成にした時のコストが桁違いに安価であることがわかった。検討結果を得て田所氏は、「ニフクラなら高品質ながら安価で、顧客の要望にもマッチしたシステム基盤を実現できると確信しました。さらに、ニフクラは複数リージョンで負荷分散やフェイルオーバーができるので、万が一本番環境が停止してもすぐに切り替えが可能です。DCが日本国内にあることや、フェイルオーバーにかかる時間が最速1分、最大で5分という速さでできる点もポイントでした」と語る。
2015年秋、システム基盤をニフクラに移行することが決定されると、東日本リージョンを本番環境とし、西日本リージョンにウォームスタンバイでDR環境を構築することとなった。2016年1月末、導入を決定してからおよそ3カ月という短期間でニフクラでの運用を開始した。
——ユーザー企業とその先の取引先を含め低コストでの閉域網接続を実現
システムをニフクラへ移設した後、顧客から新たな要望が寄せられた。サービスを閉域網で提供できないかという相談である。このFinTechサービスは、顧客企業が取引先とのやり取りの際に利用するサービスであり、お金に関わるサービスでもあるため、高度なセキュリティが求められていた。
そこで、NTT東日本のフレッツ・VPNサービスを利用してパブリッククラウドにセキュアに接続する「クラウドゲートウェイ クロスコネクト」サービスを利用することになった。ニフクラは、このクラウドゲートウェイ クロスコネクトに対応した「プライベートアクセス for クラウドゲートウェイ クロスコネクト」を提供しているので、NTT東日本の閉域網サービスとのプライベートな接続を容易に実現できる。
しかし、1つ問題があった。クロスコネクトとニフクラを直接接続すると、顧客と個々の取引先の接続ごとにクロスコネクトの契約が必要となり、かなりのコストがかかってしまう点だ。クロスコネクトでは、顧客とその先の複数の接続先を1契約でつなぐアプリパッケージを用意していたが、そのパッケージはAmazon WebServices(AWS)のみにしか対応していなかった。
そこで、ケンファーストはこの課題に対し、AWSを経由してNTT東日本のフレッツ・VPN回線をニフクラに接続することを提案。構築にあたった株式会社ケンファーストSI事業部 主任 佐藤貴之氏は、「この接続方法で、より安価に閉域接続を実現することができた。構築時は、インターネット回線と閉域網とを両方から接続するので、そのルーティン設定には気を遣いました。基本設定自体は1週間程度でできましたが、多種多様なサービスが関わっているので、うまくいかない時の切り分けには苦労しました」と語っている。
——ランニングコストを4分の1に削減 閉域接続によりユーザーも増加
ケンファーストがFinTechサービスをニフクラへ移設したことによって、顧客は大幅なコストダウンを実現した。「従来なかった検証環境を含めて、ランニングコストが約4分の1に削減することができました。しかも、その価格でDR環境も構築できたので、お客様にも喜んでいただいています」と佐久間氏。さらに田所氏は、「閉域接続が実現したことで、顧客先のお客様にも安心してご利用いただけるようになりました。閉域接続になったことで安心感が高まり、ユーザーが増えているとも聞いています」と効果を語る。
富士通クラウドテクノロジーズのサポート面について田所氏は、「構築にあたっては、ニフクラブログに載っている事例がわかりやすく、充実していて役に立ちました」と評価する。佐藤氏も「外資系のクラウドサービスなどと違って、営業の方に直接相談できたり、電話で問い合わせたりできるのが国産のクラウドサービスの強みでもありますね」と語っている。
ケンファーストは、ニフクラの処理性能や低コストでDR環境の構築やスケールアウトができる点などを評価し、災害対策ができていない顧客を中心にニフクラを提案している。それだけでなく、自社でのテレワークにもニフクラを利用していると佐久間氏は話す。「当社の提供サービスの1つである受注開発では、お客様の環境をノートPCに入れて持ち歩くこともあるので、万一紛失したら大変なことになります。そこで、ニフクラのシンプルVPNを活用し、シンクライアント環境で安全に利用しています」。
今後の展望について佐久間氏は、「ニフクラは、サイトを見るたびにどんどん新しいサービスが増えています。トレンドをきちんと捉えているので、さまざまな要望にも対応しやすい。機能面やコスト面も良く、今後もお客様に提案していきたいクラウドサービスだと感じています」と語った。
コンサルティングサービス [コンサルティング事業]
金融系システム構築で培った品質・セキュリティノウハウをベースに、システム全般に関する要望のヒアリングから、システム具現化の提案までトータルにサポートする。独立系ベンダーとしてフェアな立場から、顧客のビジネスに有益で、かつコストバランスに合わせた最適システムを提案している。
企業情報
株式会社カタクラ・クロステクノロジー
Webを中心としたシステム開発を行うシステムソリューション企業。金融系業務アプリ開発分野に豊富な経験を持つが、顧客第一主義に徹し、顧客の立場でニーズに基づいた提案を行うなかで他業界の受注も増加。現在ではBtoBの取引拡大、および最先端技術、自社ブランド商品の開発に注力するなど多様なシステム開発に対応できる体制を整えている。
- ※注製品名および会社名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。
- ※注当社は、2017年4月1日にニフティ株式会社から富士通クラウドテクノロジーズ株式会社に社名を変更いたしました。
また、2017年11月1日にニフティクラウドからニフクラにブランド名称を変更いたしました。 - ※注本インタビューは2017年11月20日に行いました。2017年11月20日現在の情報です。
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