ニフクラ 業務システム事例「ニフクラデスクトップ」
全社のOA環境を、セキュアで自由度の高いニフクラデスクトップに移行
旧ニフティ株式会社の法人向けクラウドサービスを中核に、新たに生まれ変わった富士通クラウドテクノロジーズは、デスクトップ環境を仮想サーバーに集約して利用する「ニフクラデスクトップ」を導入。セキュリティを担保しながら、場所を選ばない働き方が可能になり、さらにPCの保守に関わる管理工数の大幅削減を実現した。自由度の高い業務システムにより、今後予想される多様な働き方にも対応可能な環境を獲得できた。
勝又 章 氏
富士通クラウドテクノロジーズ株式会社
ビジネスマネジメント本部 情報システム部 マネージャー
大国 健太郎 氏
富士通クラウドテクノロジーズ株式会社
ビジネスマネジメント本部 情報システム部
小澤 将典 氏
富士通クラウドテクノロジーズ株式会社
クラウドサービス事業本部 インフラSRE部
——セキュリティを担保しながら、環境に左右されないITインフラを模索
富士通クラウドテクノロジーズは、新会社にふさわしいオフィス環境を設計すべく分社プロジェクトを立ち上げた。しかし、最適な環境を考えるにも、当初はオフィス移転の話などもあって不確定要素が多く、方向性が定まらなかった。分社プロジェクトのメンバーだった富士通クラウドテクノロジーズ株式会社 クラウドサービス事業本部 インフラSRE部 小澤将典氏は、「方向性が定まらないことも踏まえたうえでどのような状況にも対応できるようにしておく必要がありました。そこで、いっそのことどんな環境でも同じように使える業務システムを構築しようと、DaaS(Desktop as a Service)の検討を始めました」と語っている。
DaaSは、これまで個人の手元にあったクライアントPCを仮想サーバーに集約して利用するサービス。例えば従来PCの故障対応をするには、基本的にPCがある場所まで行って対応する必要があったが、サーバーに集約されているので出向く必要がなく、確実な管理が可能。データもサーバーに集約されるので、端末を紛失しても情報漏えいのリスクを大幅に縮小できる。
同社でのPCユーザー数は全社で300名強。さらに、緊急時に休日や夜間であっても自宅で対応できるよう、エンジニア向けに社外用PCを配布していたため、実質400台強のPCの貸与を行っていた。富士通クラウドテクノロジーズ株式会社 ビジネスマネジメント本部 情報システム部 マネージャー 勝又章氏は「弊社は24時間365日切れ目なくサービスを提供している性質上、エンジニアが緊急時にはやむを得ず社外で障害対応をする必要があります。しかし、セキュリティの観点から社内用PCを社外へ持ち出すことは禁止されていますので、別途メンテナンス用に社外用PCを100台ほど払い出していました」と話す。
情報システム部は、従来PCのユーザー数と社外用PCを合わせた400台強のPCのセットアップから故障や問い合わせへの対応などを行わなければならなかった。ニフクラデスクトップを導入することでデスクトップ環境を仮想化し、端末もシンクライアント化すれば、PC利用を社内に限定する必要がなくなり、どのような環境でも執務可能になる。加えて、管理に関わる課題もほとんど解決するうえ、ニフクラのインフラを利用しているので、SLAが99.99%以上と可用性も高い。そのような理由から、ニフクラデスクトップの導入を決定した。
——認証システムとの連携を含め約3カ月で構築が完了
富士通クラウドテクノロジーズがニフクラデスクトップの導入を決定したのが、2017年6月。約3カ月間で開発を行い、9月末には利用を開始した。開発について、富士通クラウドテクノロジーズ株式会社 ビジネスマネジメント本部 情報システム部大国健太郎氏は、「ニフクラデスクトップの設定と並行して、連動する認証システムの構築を行うことで、申し込みから本格利用を開始するまで約3カ月程度で導入することができました。また、お願いしたインテグレーションパートナーは、DaaSや認証に関する知見が豊富で、的確な提案をしてもらえたおかげで開発をスムーズに行えました」と語っている。
導入にあたっては、PCに専用ソフトをインストールする必要があり、そのマニュアルを用意すると同時に簡単な説明会を実施した。ほとんど問い合わせもなく、迅速に利用を開始できている。
ニフクラデスクトップ採用を機に、BYOD(Bring Your Own Device:私用デバイスの業務利用)を許可。私物のPCでの自宅対応を認め、社外用に配布していたPCをほとんど回収した。さらに、ニフクラデスクトップは、VMware Horizon DaaSベースなので、スマートフォンやタブレットなどマルチデバイスに対応している。「今後、働き方改革によりもっと働き方が多様化すると考えられるので、業務利用が可能なデバイスの選択肢が増えることも重視しました」と勝又氏。
——ユーザーの反応がよく、管理効率やセキュリティも向上
ユーザーの反応は概ね好評だ。オールフラッシュ型ストレージを採用しているため、レスポンスがよく、高負荷な作業をするエンジニアからも、大きな不満はないという。小澤氏は、「エンジニアは、いろいろなアプリを立ち上げ、環境をつくって作業することが多く、それなりの手間がかかります。DaaSになったことで終業時PCの電源オフが不要となり、朝前日の仕事をすぐ続けられるようになったと好評です」と語っている。管理面でも大幅な効率化を実現。「従来PCのセットアップに約3時間程度かかっていましたが、管理画面からリソースを登録するだけになり、端末の払い出しが非常に楽になりました」と大国氏。
セキュリティ強化も実現したと勝又氏は、「従来セキュリティパッチの一括適用が難しかったのですが、一括管理が可能になり確実に更新できるようになりました。また、万一マルウェアに感染しても、そのPCを自動的に隔離できるので安心です」と語っている。
現在、協力会社のエンジニアなどにも利用を拡大することを検討している。従来同様の環境を実現しようとすると、専用線や専用端末などを用意する必要があり、コストも時間もかかっていたが、ニフクラデスクトップを利用すれば、低コストかつ迅速に対応可能だ。今のところクライアントPCは多くが従来のPCを利用しているが、順次ローカルに情報の保存ができないシンクライアント端末に変更予定。勝又氏は、「最終的に全部シンクライアントになれば、PCの払い出しも故障対応ももっと簡単になり、コストメリットを含め、さらに効果が高まるはずです」と期待を語った。
ニフクラデスクトップ [業務システム]
VMware Horizon DaaSベースのデスクトップサービス。仮想デスクトップをニフクラ上で利用することにより、高セキュリティな環境で場所を選ばず執務可能となる。もちろん、HA機能の標準提供や10TBまで無料のネットワーク転送量など、ニフクラと同等の品質で提供。デスクトップ基盤にオールフラッシュ型ストレージを採用しているので、ハイパフォーマンスな環境を実現しており、ローカルPCと変わらないユーザーエクスペリエンスを提供する。50VDIから利用可能。
企業情報
- ※注製品名および会社名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。
- ※注当社は、2017年4月1日にニフティ株式会社から富士通クラウドテクノロジーズ株式会社に社名を変更いたしました。
また、2017年11月1日にニフティクラウドからニフクラにブランド名称を変更いたしました。 - ※注本インタビューは2017年12月22日に行いました。2017年12月22日現在の情報です。
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