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ニフクラ ニフクラをベースとしたサービス提供事例「AirLogger™Cloud Lite」

株式会社アドバンテスト(以下、アドバンテスト)は、半導体の試験装置分野のトップ企業である。2015年に同社は、自動車や産業機器の研究開発時などに必要な温度や電圧、ひずみなどを計測する無線データロガー「AirLogger™」シリーズの提供を開始。顧客の中には広範囲な場所や、複数の環境での計測をしたいというニーズもあり、従来は専用環境を提供することで実現してきた。「AirLogger™」をより手軽に遠隔で計測をしたいという顧客ニーズを受け、クラウドベースの遠隔計測サービスの開発に着手。試作段階からニフクラを採用し、2019年10月に新サービス「AirLogger™Cloud Lite」の提供を開始した。

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株式会社アドバンテスト新企画商品開発室 NPEグループ NCI部Functional Manager 藤崎 貴志氏

藤崎 貴志

株式会社アドバンテスト
新企画商品開発室 NPEグループ NCI部
Functional Manager

株式会社アドバンテスト新企画商品開発室 NPEグループ NCS部部長 鈴木 武久氏

鈴木 武久

株式会社アドバンテスト
新企画商品開発室 NPEグループ NCS部
部長

株式会社ディーネット営業本部 第1営業部 岸本 祐典氏

岸本 祐典

株式会社ディーネット
営業本部 第1営業部

——お客様のニーズにこたえニフクラを活用したクラウドでの遠隔計測環境の開発に着手

1954年に創業、現在は半導体の試験装置の販売を主力事業とし、売上高2800億円と業界シェアトップであるアドバンテスト。業容を拡大すべく、さまざまな次世代の電子計測技術関連事業を展開しており、温度や電圧を計測できる無線データロガー「AirLogger™」シリーズもそのひとつだ。測定と無線通信を行う測定ユニットと、測定条件やデータの送受信を行うためのPC通信ユニットで構成される。2015年に温度を計測できる「WM1000」がリリースされ、2017年には電圧やひずみの計測にも対応できる「WM2000シリーズ」がリリースされた。小型でワイヤレスという特長から、自動車、電機、建材、食品、物流などさまざまな業界で利用されている。

アドバンテスト 新企画商品開発室 NPEグループ NCI部の藤崎 貴志氏はAirLogger™について次のように語る。「測定ユニットの電波の到達距離は30mほどですが、より広い範囲で使いたいというご要望もありました。従来はその都度特注の環境を構築して対応していましたが、同様のご依頼が増えてきたため、手軽に試してもらえるような、クラウドでデータ管理できる遠隔モニタリングシステムのサービスを着想しました」。

こうして、測定ユニット、計測ユニットから取得するデータを、専用のゲートウェイ機器とモバイルルーターを使ってクラウドに送信・閲覧できるサービス「AirLogger™ Cloud Lite」のプロジェクトが始まった。計測のための仕組みを特注することなく、機器をレンタルすることで試用でき、ゲートウェイとルーターを増やしていけば、より広範囲でのデータ取得が可能となる。クラウド環境はニフクラが選択された。

「AirLogger™ Cloud Lite」のソフトウェア部分を担当したアドバンテスト 新企画商品開発室 NPEグループNCS部 部長の鈴木 武久氏は「新規事業は市場規模もはっきりわかりません。必要最小限の構成で開始し、拡張できる環境としてクラウドがよいと思っていました。以前から社内ではニフクラを使っていたため、ニフクラを扱える技術者もいて、今回の製品の試作も行っていたことから安心感がありました。SLA99.99%の高性能さも魅力の1つです。また、他社のクラウドも試用しましたが、国産のクラウドで、日本語でしっかりサポートしてくれることも重視し、ニフクラを採用しました」と選定の決め手を語った。

——運用保守を専門家に任せ徹底した運用監視体制を整備

アドバンテストは、「AirLogger™ Cloud Lite」の試作品から製品化に移行していくにあたり、クラウドの導入や運用を任せられるパートナーの選定に着手。ニフクラの導入から保守までまるごとサポートする「CloudServ.(クラウドサーブ)」を提供する株式会社ディーネット(以下、ディーネット)にコンタクトをとった。藤崎氏は「今回の製品は、クラウドの運用・保守をしっかりと行うことが重要です。しかし弊社にはクラウドに関するノウハウが不足していたため、クラウドの専門家に運用・監視も任せることにしました。」と語る。

ディーネットに具体的な相談をしたのが2018年12月。その後プロジェクトは、2019年3月にテストを開始し、6月には本番環境を用意、そして10月にサービスインといったスケジュールで進行した。導入を担当したディーネットの営業本部 第1営業部 岸本 祐典氏は「当社はニフクラと長年の豊富なパートナー実績があることから、そのノウハウを活かすことでクラウドの導入については特に問題なく進みました。製品の稼働に必要なゲートウェイ端末の調達についても相談を受け、ゲートウェイ機器の設置やIoT製品のレンタル対応などもサポートしました」と話す。

ニフクラを活用した「AirLogger™ Cloud Lite」は、導入前に試せるよう、計測環境をレンタルする形をとっている。藤崎氏は、「お客様にお試しいただいてから検討してもらえるよう、3ヶ月単位でレンタルできるようしました。国産クラウドであること、リーズナブルな金額で計測環境をお試しできるというメリットをアピールしています。まずレンタルでお試しをいただき、そこからお客様独自の、本格的な計測環境の提供につなげていく予定です」と現在の手応えを語った。顧客独自の環境を構築する場合は、ニフクラ上だけでなく、オンプレミスにも応じるなど、ディーネットの協力も得ながら柔軟な対応をすると藤崎氏は続けた。

——ニフクラで安定稼働を実現クラウドベースの新たな領域にもチャレンジ

ニフクラの動作について鈴木氏は「試作段階からニフクラを使っていますが、当初から現在に至るまで安定して動作しています。ディーネットに運用サポートをしてもらえるので安心感もあります」と評価した。ニフクラはVMware vSphere®を使ってサーバーを仮想化することで、ダウンタイムなしでメンテナンス作業が可能なため、運用負荷を軽減できる特徴を持っている。岸本氏は「国産のクラウドですし、コントロールパネルも使いやすいです。安定稼働を前提に、24時間365日のフルマネージドサポートの提供を行い、セキュリティ面やサービス停止に繋がる障害を未然に防げるよう、我々もしっかりと支援していきます」と語った。

今後の展望について鈴木氏は「お客様がレンタルから本格稼働に移行される際は、ぜひニフクラを推薦したいです。ただしお客様によっては、社外秘のデータをクラウドに預けることに躊躇している企業も少なくありません。富士通クラウドテクノロジーズ株式会社やディーネットには、クラウドの安全性の啓蒙についてもサポートしていただきたいです」と構想を語った。

さらに藤崎氏は、「我々の計測ユニットは、使いようによってはかなり多くのデータを取得できます。今後は、計測だけでなくAIを使ったビッグデータ解析アプリや予知保全など、クラウドベースの広範囲な計測によって生まれる新たな領域のサービスも提供していきたいです」と続け、締め括った。

AirLogger™Cloud Lite

AirLogger™Cloud Lite [ニフクラをベースとしたサービス提供]

遠隔モニタリングシステム「AirLogger™ Cloud Lite」は、データを蓄積し表⽰するクラウド環境とWebアプリケーションの使⽤料に、独⾃開発の制御⽤ソフトウェアを搭載した専⽤ゲートウェイとモバイルルータのレンタル料をセットで提供する最⻑6ヶ⽉間の利⽤が可能なサービスです。
お客様は、お⼿持ちのAirLogger™のPC通信ユニットを専⽤ゲートウェイに差し込むだけで、すぐに遠隔モニタリングを開始できます。

企業情報

株式会社アドバンテスト

電流や電波を計測する機器のメーカーとして1954年に創業。エレクトロニクスの発展と共に成長し、現在は半導体の量産テスト用システムの開発・販売を中心とした事業を展開。さらなる業容拡大のため、半導体量産工程の前にある設計・評価工程や、後にある製品・システムレベルテスト工程といった近縁市場などに事業領域を広めている。

株式会社ディーネット

1995年創業。サーバーやネットワークの設計および構築をはじめ、24時間365日・有人体制による各種運用・管理サービスを提供。豊富なクラウド導入実績を持ち、最適なクラウド環境の設計と導入から運用・保守までをサポートするサービスを展開。加えてシステム開発や広告事業などもおこなっている。

オンプレ移行やDRなど代表的な事例を紹介!ニフクラ事例集
  • ※注製品名および会社名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。
  • ※注当社は、2017年4月1日にニフティ株式会社から富士通クラウドテクノロジーズ株式会社に社名を変更いたしました。
    また、2017年11月1日にニフティクラウドからニフクラにブランド名称を変更いたしました。
  • ※注本インタビューは2020年1月29日に行いました。2020年1月29日現在の情報です。

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