ニフクラ 基幹システム事例「EOSによる基幹システムのクラウド移行」
「住まいのトータルクリエイター」として、地域密着型経営の特長を活かし、顧客に顔を向けた“売りっ放し”、“建てっ放し”のない顧客満足度の高い住宅づくりを継続すると同時により高い水準を目指すフジ住宅では、2023年にサポート切れを迎えるOSを搭載したシステムのクラウド移行を実施。そのインフラとして、直感的な操作性や、シングルインスタンスでもSLA99.99%保証など優れた信頼性であることを評価して選ばれたのが、富士通クラウドテクノロジーズが提供するVMware vSphere®基盤のパブリッククラウドサービス「ニフクラ」である。
志水 謙治 氏
フジ住宅株式会社
システム室 主事
善 智昭 氏
フジ住宅株式会社
システム室
——サポート切れのWindows Server 2012システムの移行先を検討
近畿圏を中心に分譲戸建やマンションなど、住宅・不動産事業を展開するフジ住宅株式会社は、2023年1月に創業50周年を迎えた。「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」という経営理念のもと、次の50年も社会課題に対する企業が果たすべき役割に貢献できる企業として成長し、これまで以上に信用・信頼される、富士山のように日本一愛される企業グループを目指している。
同社では企業価値向上のためにITを戦略的に活用しており、営業支援ツールとしての有効利用、業務の効率化などを図っているが、それらのIT基盤には導入から長期間経過したレガシーシステムが残っているという課題を抱えていた。「当社には現在、導入から30年ほど経過したレガシーシステムがいくつか残っています。レガシーシステムを一新しながらセキュリティを強化することにも注力していかなければならないと考えていました」と、フジ住宅株式会社 システム室 主事の志水 謙治氏は語る。
また、そうしたレガシーシステムに加え、利用していたサーバには2023年10月にサポートが終了するOSシステム「Windows Server 2012」も複数あり、その移行先についても検討を行っていた。「ちょうど半導体不足が話題となっていた時期で、サーバやネットワーク機器などの調達が難しいことや、納期が遅れるという話を耳にしていました。そのため、早期にWindows Server 2012搭載サーバについて見直しを進めるため、当社と長年付き合いのある富士通に相談しました」。(志水氏)
フジ住宅があげた要望に対して富士通が提案したのが、VMware vSphere基盤のパブリッククラウドサービス「ニフクラ」だった。当時のことについて、志水氏は次のように振り返る。「ニフクラのことは、以前サーバの冗長化構成について相談をした際にも案内を受けていましたが、今回の要件のポイントである『サーバの迅速な構築』と『Windows Server 2012からの移行』という観点で、改めて提案をしてもらいました」。
——シンプルで直感的な操作によるサーバ構築と優れた信頼性を評価
ニフクラを始め、複数のソリューションの検討を行ったフジ住宅は、無料トライアル環境で事前にサーバ構築方法や操作方法、実際の使用感等を体験できるニフクラ(※)に候補を絞り、検証作業を実施した。
トライアルを利用しての感想としてまず挙がったのは、操作性のシンプルさや、サーバとディスク増設の容易さだ。フジ住宅株式会社 システム室の善 智昭氏は、「直感的な操作性と、サーバやディスクの追加などリソースの増設が容易にできる点が良かったです。部内での報告時も、『とても簡単に作れるよ』と共有できるほど簡単で驚きました。他のクラウドサービスを利用したこともありますが、項目が多くパラメータがわかりにくい点や、英語表記である点が不便だと感じていました。今回ニフクラを触ってみて、“国産っていいな”と実感することができました」と感想を述べた。
さらに富士通データセンターとのネットワーク接続のメリットも評価のポイントだったという。「富士通のデータセンターとのハイブリット構成で柔軟なシステム構成を実現できます。また、L2ネットワークを延伸することでデータセンターとニフクラを接続でき、IPアドレスを変更せずにサーバを構築することも可能です。オンプレミスのサーバをクラウドに移行するにはとても良い環境であると感じました」と志水氏は話す。その他にも、単一サーバからSLA補償が受けられることや、トラブルがあった際には自動でサーバが再起動される信頼性の高さなど、ニフクラのトライアル利用で満足のいく結果を得ることができた。
これらの検証結果をもとに、フジ住宅はニフクラを正式に採用することを決定。2023年3月から正式にサービス利用をスタートした。
——DXの進展とさらなる業務効率の改善に向けニフクラに期待
フジ住宅では現在、ニフクラに複数台サーバを立てて利用している。今回のプロジェクトの主目的の一つでもあるWindows Server 2012をOSとするシステムの移行についても、順次進めていく計画だ。
ニフクラの本格稼働後、急遽サーバの増設が必要となったアクシデントがあったと志水氏は語る。「稼働を開始した頃、社内のファイルサーバの容量がひっ迫し、臨時のファイルサーバが必要となる事態に見舞われました。ですがニフクラを活用して容易にサーバを増設し、突発的な状況にも柔軟に対応することができました」。
また、実際に利用を進めていくなかで気付いたメリットもあったという。「国産クラウドは料金が日本円で表示されますので、海外製と違い為替レートを考える必要がありません。利用にあたってどのくらいコストがかかるのかなど、見通しや予算が立てやすくなりました」(志水氏)。
富士通のサポートに関する評価について善氏は、「当初、ネットワークの疎通に問題があるようなケースもありましたが、技術担当者とやりとりを重ね、迅速に解決してもらうことができました。また、バックアップの設定で不明点があった時には、疑問を解消できるように当社用のオリジナルマニュアルを作成してもらいました」と評価している。
今後フジ住宅では、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていく。業務効率のさらなる改善、ワークライフバランスの向上を目指し、モバイルワークを進展させる予定だ。「モバイルワークを進展させるにあたって、ニフクラが活用できる範囲は大きいと考えています。また、工事業者様をはじめとするお取引先様とのシステム共有やシステム連携などにおいても、大きな期待を寄せています」と志水氏はニフクラへの期待を語った。
※「ニフクラ/FJcloud-V」は、富士通クラウドテクノロジーズが提供するサービスであり、富士通クラウドテクノロジーズが販売する際はニフクラ、富士通が販売する際はFJcloud-Vというサービス名称となります。無料トライアルは、FJcloud-Vとして提供しています。詳細につきましては、こちらをご確認ください。
EOSによる基幹システムのクラウド移行 [基幹システム]
【課題の解決】
・システムの拡張や移行に際し、迅速なサーバ構築を実現
・2023年にサポート切れを迎えるシステムをクラウド移行
企業情報
- ※注製品名および会社名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。
- ※注当社は、2017年4月1日にニフティ株式会社から富士通クラウドテクノロジーズ株式会社に社名を変更いたしました。
また、2017年11月1日にニフティクラウドからニフクラにブランド名称を変更いたしました。 - ※注本インタビューは2023年7月10日に行いました。2023年7月10日現在の情報です。
その他の業務利用事例
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