ニフクラ 業務効率化事例「rBOM」
ニフクラ(旧:ニフティクラウド)上で生産システムを刷新しBCPの実現と経営の可視化を目指す
ファイン電子機器は、工場ごとに生産管理システムを運用してきたため、同ーシステムながら利用する機能も使い方も工場によって大きく異なっていた。そのため、全社の経営状態の把握や分析が困難だった。また、福島工場が東日本大震災で被災したこともあり、災害対策の重要性も痛感。データが確実に守られる設備で、的確な運用をする必要性を感じていた。 そこで、大興電子通信の生産管理システムパッケージ「rBOM」を採用し、そのインフラとしてニフクラ(旧:ニフティクラウド)を選定。システムの確実な運用とデータの保全性が確保されたことにより、大きな安心を手に入れることができた。鈴木寿裕 氏
株式会社ファイン電子機器 取締役
富士工場工場長
——全社の分析が可能なシステムとそのための安全なインフラを検討
電子制御機器の設計から試作、量産までを一貫して行うファイン電子機器は、本社がある福島県と神奈川県、静岡県に6つの工場を持つ。同社では、ものづくりに欠かせない生産管理システムを自社で構築し、工場ごとにサーバーを置き運用してきた。そして、長年の間に必要に応じてそれぞれの工場が独自にカスタマイズをしてきた結果、全社の状況が把握できないという問題が起きていた。株式会社ファイン電子機器 取締役 富士工場 工場長 鈴木寿裕氏は、「工場により事業体が異なるため、管理手法もまちまちです。工場ごとに最適化されていることは全く問題ないのですが、同じシステムを利用しているのに出力項目などが異なるため、全社の状況を横串で分析することが非常に困難でした。また、データが一元管理されていないので、同じ部品を工場ごとに別々に発注するなどの無駄もありました」と語っている。
それに加えて、運用上の課題も抱えていた。地区ごとに各1名管理者はいるものの、管理者が不在の場合、システムがダウンしても復旧できない。また、管理者はシステムの専門家ではないので高度な対応は難しく、確実な運用ができているとは言い切れない状態であった。「当社は新品の情報だけではなく、エンドユーザー様へ過去に納品した製品の保守パーツに関する全てのデータを残しておく必要があります。万一、運用トラブルやミスでそういったデータを消失することになれば、お客様に多大な迷惑をかけることとなり、会社としても大打撃を受けます。さらに、サーバーは工場の事務所に置いているだけなので、工場によってはエアコンを入れないと室温が50℃になることもあり、基本的に休日は停止しています。中国に工場があるお客様もいらっしゃいますので、たとえば、日本の祝日でも中国が操業している時に、中国からデータを見たいと思っても、見ることができません。こういった運用上の問題やデータの保全性などを考えると、いずれどこかに運用を任せたいと考えていました」(鈴木氏)。
「いずれ」と鈴木氏が考えていた折り、2011年3月11日に東日本大震災が発生。幸い同社は1週間で工場を再開できたものの、災害対策を本格的に考えなければと思い始めた。そうはいっても潤沢な資金があるわけでもなく、なかなか着手できずにいた2015年、中小企業ものづくリ補助金が採択された。そこで、この機を逃してはならないと、新たな生産管理システムの導入とそのシステムを預けるクラウドサービスの選定を始めた。
——セキュリティ、コスト、使いやすさを評価しニフクラ(旧:ニフティクラウド)を選択
1年間で補助事業を立ち上げなければならなかったこともあり、生産管理システムをパッケージで導入することを決定。そこで、自社に最適な生産管理システムを求め、資料語求を行った会社は約20社にも及ぶ。その中から、セミナーやデモを見て導入を決めたのが、大興電子通信の生産筐理システムパッケージ「rBOM(アールボム)」である。鈴木氏は選定の理由を、「多品種少量生産に適しており、部吊表(BOM)を中心に統合管理ができる点を評価しました。従来はBOMが個人に属しており、設計から量産に変わる際の変更情報が確実に共有されていないため、余分な部品まで発注してしまうようなことがありました。rBOMなら設計とものづくりの現場のコミュニケーションを図れるので、こういった問題を解決できると考えました」と語る。
同時にrBOMを運用するクラウドサービスの選定も行った。複数のサービスを選定した結果、同社が導入を決めたのがニフクラ(旧:ニフティクラウド)である。「当初海外の大手 クラウドサービスも考えましたが、従量課金で為替レートの影響も受けるため、利用料が都度変動することと、サポートに一抹の不安があリました。そこで、大興電子通信に提案してもらった複数のサービスを軸に検討した結果、セキュリティやデータ保護などの安心感、コスト、使いやすく手離れが良い点などを評価し、ニフクラ(旧:ニフティクラウド)に決めました」(鈴木氏)。
——データ保護と、時間や場所を選ばずシステムが利用できる環境を実現
今回のシステムは、2016年6月に導入を完了。2017年2月まで実際に利用しながら検証を進め、必要に応じてカスタマイズなどを行い、利用方法や社内ルールの整備などを含めて調整していく。そのうえで、2017年3月から本格的に利用を開始する予定だ。鈴木氏は、rBOMの本格稼働に向けて、大興電子通信への期待を次のように語っている。「rBOMの導入まで大変きめ細かな対応をしてもらいました。今後も大興電子通信には豊富な経験を活かした支援をいただき、早期のrBOMの本格利用開始、そして生産管理の最適化を実現するために協力をお願いしたいと考えています」。
今回インフラとしてニフクラ(旧:ニフティクラウド)を選択したことで、「富士通クラウドテクノロジーズ(旧:ニフティ)に連用を任せられるようになったので、心配が1つ減りました。特に自社のデータを確実に保護できるようになったので、安心です。同時に、いつでも社外からでも必要なデータを見られるようになったことも大きい」と鈴木氏は評価している。
これからも、ファイン電子機器の生産を支えるシステムを、ニフクラ(旧:ニフティクラウド)とrBOMが守り続けていく。
rBOM [業務効率化]
個別受注生産、多品種少塁生産企業を支援する、製販一体型の生産管理パッケージシステム。とりわけ、ものづくりに関わる全ての情報をリアルタイムに共有・可視化し、適切な生産管理と、経営の課題解決をサポートする。オプションやテンプレー ト、連携ソリューションを豊富に揃えており、幅広い業務の課題解決を実現する。
企業情報
株式会社ファイン電子機器
産業機器の電子制御機器の設計・開発・製造およびサービスを一貫して提供している。専門部門ごとに設計開発事業、組立事業、基板事業部、ワイヤーハーネス事業部、板金事業部を福島県、神奈川県、静岡県に設置。それぞれの部門において高度な技術力を磨き、顧客の利便性の高い地域で、多様なニーズに応える製品を提供している。
- ※注製品名および会社名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。
- ※注当社は、2017年4月1日にニフティ株式会社から富士通クラウドテクノロジーズ株式会社に社名を変更いたしました。
また、2017年11月1日にニフティクラウドからニフクラにブランド名称を変更いたしました。 - ※注本インタビューは2016年8月30日に行いました。2016年8月30日現在の情報です。
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